風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

もう一つの パンのある食卓

こちらは、パンにまつわる ちょっとしたエピソード。




◆バンズ
 小麦粉、全粒粉、酵母、砂糖、塩・・・という基本的な材料のみで作った、シンプルなパン。
 甘い味がするわけでもなく、ふんわりと柔らかいパンでもないのに、意外にも、小さな子供がこのパンがいちばん好き、ということが多いらしい。(これまでのお母さんの話や、小学生が「バンズ!」といって迷わず買っていくことが結構あったりするので)
 時々、バンズがいちばん好き!と言ってくださる方がいて、作り手としては自分の作るパン全体を褒められたような気分になり、その一言がとても嬉しかったりします。
 私は縦に切ってトーストするのが好きなのですが、横に切ってトーストするとカリカリふわふわ感が変わり、切り方だけで味や食感が変化するのもおもしろい。





◆カンパーニュ
 国産小麦粉、全粒粉、ライ麦粉、酵母、砂糖、塩
 クープがきれいに開くと私も幸せな気分になれる、自分にとって原点となるパン。
 パン屋になろうと決心したあと、自分はどんなパンを作りたいのだろうを試行錯誤を始めた時に、何気なく作ってみたこの配合のパンを食べて、自分が作りたいのはこの味のパンだ!と確信(?)した、言うなれば、自分のパン作りの方向性を決めてくれたパン。
 バヌトン(発酵かご)の模様とぱっくり開いたクープのカンパーニュは、作る人にとっても食べる人にとっても、なぜかあこがれのパンなんですよね。





◆ライ麦パン
 国産小麦粉、ライ麦粉、酵母、砂糖、塩
 意外にも、このパンを高校生が買っていったりすることがあって、ちょっとびっくり。
 思い切ってライ麦パンを2等分したのち、厚みを半分に切ってチーズトースト、というのもおいしいです。




◆ブランブレッド
 国産小麦粉、全粒粉、ふすま(小麦外皮)、酵母、洗双糖、自然塩 
 かれこれ30年ほど前に、東京のルノートルというパン屋で売っていてお気に入りだった、「ふすまパン」。行くたびに買っていたのに、2〜3か月で店頭から消えてしまい、私にとっては幻のパンとなってしまいました。あのパンをもう一度食べたい!と、記憶を頼りに再現したのがこのブランブレッド。
 ルノートルのパン職人さんが作っていたものと私の力量で作るものとは雲泥の差なのですが、自分にとっては、これこれ!この味!と、納得の出来(自己満足)。
 ふすま(小麦の外皮)は、上三川町で無農薬の小麦を作っている上野さんの、新鮮なものを使用しています。
 トーストしてバターを塗って・・・。野性的な小麦の味が、くせになるおいしさです。




◆プチカンパーニュ
 カンパーニュ生地の中に、クリームチーズとドライフィグ(干しイチジク)入りの、食べきりサイズ。何と言っても焼き立てがおいしいのですが、冷めてしまった時には、オーブントースターで温めると焼き立てのふんわりした感じが戻っておいしく召し上がっていただけます。
 「あ、これ美味しかったのよね〜」と、リピートしてくれる方が多いです。





◆食パン
 国産小麦粉、全粒粉、酵母、牛乳、バター、砂糖、塩
 4枚切りくらいが食べやすいのですが、3枚切りの厚切りにしてチーズトースト、というのもたまにはどうぞ。
 または、やはり厚切りにして格子に切れ目を入れてトーストし、バターとはちみつ&シナモンをかけてハニートーストもgood!ただし、食べすぎ注意 。 




◆バターロール
 国産小麦粉、全粒粉、酵母、砂糖、牛乳、バター、塩
 全粒粉入りのバターロールが食べたいと思っても、そういうのを売っているパン屋はめったにないので、自分で作ってみたバターロール。
 最初は菓子パン系はイーストのパン屋さんにまかせればいいんじゃないの?と、あまり作る気がなかったのですが、レパートリーを増やすつもりで作ってみたところ、味が全然違ったものになり、まず自分がはまりました!
 他のパンよりも少し砂糖を多めにしているので、ほんのりした甘さがあり、何もつけなくてもおいしく召し上がっていただけます。
 知人からは、「バターロールの概念が変わった」と言われたことも・・・!
 夏の間は生地が扱いにくくなり、成型が難しいため、バターボール(シンプルな丸パン)になるのですが、形が変わっただけでも食感が微妙に違ってきます。






◆シナモンロール
 一般的にはレーズンを巻き込み、上にアイシング(砂糖の水溶き)をかけているものが多いようですが、自分自身がアイシングの甘たるさが苦手なため、アイシングはしていません。
 巻き込むものも、レーズンよりもクルミの方が甘すぎず、食感も楽しめるかなと・・・。
 さらに、シナモンシュガーが焼いている途中で溶けて下に落ちて焦げたところがカラメル状になってパンの底に沁み、そこが何とも言えずにおいしかったり。



 



◆クグロフ
 クリスマスの時期に今どきのパン屋で目につくものはシュトーレンが多いと思うのですが、レシピを見てみてもどうも自分には出来上がりのイメージがわかず、ということは私にはおいしいシュトーレンは作れそうにない、ということで早々に諦め、その代わりに形がかわいらしく、味のイメージも描きやすいクグロフを焼くことにしています。
 1年目のクリスマスから作っているものの、クグロフの生地自体の扱いがむずかしく、毎年改良を重ねてレシピを更新しています。
 クグロフ型で焼く、ペーキングパウダーを使ったパウンドケーキのようなクグロフもありますが、ここは自家製酵母のパン屋の意地として(・・・と言うほど、大それたものではないけどね)、自家製酵母のクグロフです! 
 クリスマスの時期以外に、ケーキっぽいものが食べたくなった時に、あるいは、クリスマス前に試作を兼ねて、その時の思いつきのフィリングを入れて焼くこともあります。