風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

店の名前の由来

 「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」


という、長い店の名前はどこからついたのでしょう?
 とふと思った方のために、店の名前の由来を書いておきましょう。


 最初にあった名前は、「あおいベーカリー」
 私がパンを作るきっかけとなった2007年の7月、最初に酵母を起こした素材は、その時住んでいた会津の自分の(借りていた)畑で作っていたブルーベリーでした。
 その頃はまだ、現在ほどはなじみのなかった自家製酵母。インターネットで調べて、レーズン以外にも生のぶどうでも酵母が起こせるという記事から、ブルーベリーでもできるのではないか?とやってみたところ、徐々にプクプクと発酵してくる酵母があまりにもかわいかったので、「あおいちゃん」という名前をつけていました。
 それから10日ほどして、初めて自分で起こした酵母でパンらしきものが出来た時の感動は、それはそれは大きかった。
 奥会津という山の中で、自分の畑で成ったブルーベリーから、自分が食べたいと思うようなパンが作れた!この感動を誰かに伝えたい!そうだ、パン屋になろう!
 といきなり決意した時に、パン屋の名前は何がいいかな〜と早々と考えていて思い浮かんだのが、「あおいベーカリー」という名前でした。
 以来、パン屋をやるなら「あおいベーカリー」という名前にしようと思っていたのですが、それから3年後、会津でカフェらしきことをする時には、グループで始めることになったため、あおいベーカリーという名前ではありませんでした。


 それから諸事情あって、会津から実家に戻ることとなり、実家のある真岡(もおか)という場所でパン屋開店を目指すことになったのですが、その時から店の名前は「風の通りすぎる場所」にしようと決めていました。
 「風の通りすぎる場所」
 それは、この店のある真岡(もおか)という地名から来ています。
 真岡の地名の由来として子供のころからよく聞かされていたのは、「鶴の舞う丘」の「まうおか」が訛って「もおか」になったという説。
 しかしその後、もう一つ真岡の地名の由来とされる説があることを知りました。それはアイヌ語の「マオカ」からきているのではないかという説。
 アイヌ語で「マオカ」というのは、「風が吹きぬけるところ」というような意味があるそうです。確かにこの場所は関東平野の末端で、日光からの風が吹き下ろしてきます。特に子供の頃、冬に強風が吹くことが多く、ひどく寒かったような気がします。ただ、現在は建物がたくさん建ったからか、それほど「吹きすさぶ」ということはなくなりましたが。


 「あおいベーカリー」は、パンを作っている人。「風の通りすぎる場所」は、お店のあるところ。
 店の名前には、そんな意味が込められています。


 ちなみにパン屋のコンセプトは、
 「くう ねる あそぶ。パンを焼く。そして 時々 おすそ分け」
 自分が食べるためのパンを焼くついでに、少し多めのパンを焼き、それを近所の人たちが歩いて買いに来てくれて、その現金収入で自分が暮らしていける…そんなところが、理想です。
 なので、通販はしないことにしています。


 ここで自家製酵母を使ってパン屋をするということは、猫のほかに酵母を飼うことにもなるので、長旅をすることはちょっと難しくなりました。
 なので、時には旅人がふらっと立ち寄って、遠い場所の話をしてくれたりすると、私の心は旅に出た気分になれるかも。
 

 気が向いたときに、お立ち寄りください。