益子までベーコンを買いに行った、帰り道。
真っ赤な夕日が地平線に沈んでいくのが見えた。
ここ、真岡のあたりは関東平野の端っこで高い山に囲まれていないため、太陽の沈む位置が空の下の方=地平線に近い位置になる。そのため、夕日とそのあとの虹色に変化していく夕焼けが本当に美しい。
・・・ということに、中山間地域の会津に住んだ時に、あらためて気がついた。山に囲まれた奥会津では、太陽が高い位置で山の端に隠れてしまうため、夕焼けの色を最後まで見ることができない。まして、都会の高層ビル群の中では、夕焼けを見る、という心の余裕さえ失っているかも。
今日の夕焼けの赤は、ことさらきれいだった。赤の色合いが幾重にも交わっていた。紅(くれない)、茜(あかね)、緋色(ひいろ)、朱鷺色(ときいろ)、橙(だいだい)・・・日本語に色の名前がたくさんあるのは、昔の人たちが、こんな美しい自然を言葉で表現できる感性をもっていたからなのだろう。
家に帰る前に、神社にも立ち寄った。このところ、心の中にドロドロした悪い空気が漂っていて、この暗雲を一掃したかったのだ。ちょうど新月の日でもあったので、お詣りをしてきた。そのおかげか、帰ってきたら、少し気持ちが落ち着いた。
自分のためと誰かのためと・・・どこかでバランスが崩れると、心が醜いものになっていく。そうならないように。できるだけ澄んだ心でいられますように。いつか、終わりの時が来る日まで。