風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

自家栽培ぶどうの自家培養酵母でパンを焼く(完成〜!)

 我が家の庭のぶどう酵母でパンの元種を起こす。今年の9月から試みているにもかかわらず、失敗続きで叶わずにいたのだが、今日、ようやくできた〜〜〜!!!!!

 かけ継ぎを5回目までおこなった、パンの元種。


 左が今回培養している、ぶどう酵母の元種。右は、2月に起こして以来、夏を乗り越え9ヶ月間使い続けている、これまでになく発酵力が高くなっているパンの元種。横から見ると、気泡の入り方の違いがよくわかる。
 2月からこれまで使い続けている元種は、細かい泡と大きな泡がバランスを保ちながら、冷蔵庫の低温の中でも力を失うことなく48時間で元種として熟成する。
 今回培養しているぶどう酵母は、今のところ細かい泡のほうが目立つが、冷蔵庫の中でも発酵力が衰えず、上から見ると大きな気泡が上がって、さらにゴムべらで感触を確かめるとがっちりと小麦粉を繋いでひとまとまりになっているので、いい元種になりそうな素質が見て取れる。


 試しに、昨日の夜に生地をこねて今日の午前中に焼いてみたら、まだ生地のキメがそろわずにもっちり感が強いものの、ちゃんと膨らんでパンになった。食べてみると酸味もなく、小麦粉の味わいもよく残っておいしかった。あと数回かけ継ぎをすれば、もっちりとさっくりのバランスもよくなり、安定した元種になっていくことだろう。

 我が家の庭で実ったぶどうを発酵させて酵母を起こし、その酵母液でパンの元種を培養して、その元種で発酵させたパンを焼く。それは、自分の家の周りに住む酵母の力を借りて、パンを焼く、ということ。
 他の材料を使って酵母を起こした場合でも、スタートの時点ではその素材についていた酵母が優位に働いていたとしても、徐々に自分の周りにいる酵母も入り込んで共存していくのだろうと思うのだけれど、我が家の庭で実ったぶどうを元に起こした酵母は、最初から自分のすぐそばにいた酵母を育てる、ということになる。
 おいしいパンを焼くことさえできれば、元種の素材は何でもいいのだが、目には見えない世界の出来事と言えども、やはり、自分の家の庭の収穫物から起こしたパンの元種は、いとしさもひとしおだ。なにより、ロマンティックではないか!(笑)
 念のためにいっておくと、ぶどうから起こした元種で作ったパンがぶどうの香りがするというわけではない。ただ、今までの経験からいうと、ぶどうやブルーベリーなどの小果樹は、パンに向く酵母がたくさんついているような気がする。
 ようやくできた、自家栽培ぶどうの自家培養酵母のパンの元種も、これからおいしいパンを作るための、私のいい相棒となってくれることだろう。