風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

自家栽培ぶどうで自家培養したパンの元種でパンを焼いています!

 ようやく完成した、我が家の庭で実ったぶどうを元に起こした酵母で培養した、パンの元種。
 かけ継ぎを8回くらいしたところで急速に発酵力が高まり、2月から使い続けているこれまでにない高発酵力となっている元種と同じくらいになった。
 ・・・というより、たぶんすでに、それ以上の発酵力になっている気がする。冷蔵庫で保存していても、24時間で元種が熟成するくらいの勢いがついている。
 そんなわけで昨日のパンは、すべて新しい我が家のぶどう酵母で焼き上げた。
 今日は、今までの酵母と新入りのぶどう酵母の両方を使っているのだが、焼き立て、そして、焼いてから1日置いたパンを食べ比べてみると、使い始めたばかりのぶどう酵母で焼いたパンは癖のないあさっりとした風味で、いかにもフレッシュ!という雰囲気に満ちている。片や、9ヶ月の間使い続けている古株酵母で焼いたパンのほうは複雑な味わいがあって、ヒトと同じく、いい生き方をしてきた人(ここでは、いい状態で培養できている酵母…ですな)はいい味を醸し出している!みたいな、風格を感じる。
 酵母自体も、新しいぶどう酵母の元種は見るからに勢いがあり、若さを感じるのだ。一次発酵も、古いものよりも幾分早めに生地が上がってくる気がする。といっても、どちらも28℃前後に置いて4時間で一次発酵が完了するので、最善の状態になっていることに違いはない。(=私の経験によりますと、一次発酵が4時間で完了する状態になっていれば、発酵力が最善になっているものと思われます)

 こうして、起こした時期が異なる酵母を同時に育てて食べ比べてみると、酵母の性質や味の違いが本当によくわかっておもしろい。自宅で実った果実を使って元々我が家にいる酵母を培養…というところでも違いが出るのだろうか?ますます微生物の世界にのめりこみそうである。
 ぶっちゃけ、昨日(っていうか、今日の午前12時以降)は仕込み開始の時刻がやや遅くなり、なんだかんだで睡眠時間が30分となりそうだったので、もう布団で寝たら絶対起きられない!という判断にてこたつで40分うたた寝してから起きて、仕事を開始したのだが、それでもパン屋の仕事がつらいのでやめたい。。。などとは思わないのは、自家製酵母でパンを焼いているからだろう。これが、イーストや市販の天然酵母だったら、そこまでの興味も愛着も沸かず、パンを作る材料に関しても、徹底してこだわる意味を感じられないと思うのだ。
 8年前、畑で採れたブルーベリーで酵母を起こしてパンを焼いてみたことが、まさに自分の人生をも変えることになったわけですねー。そして今、あの時決心した、自家製酵母のパン屋になって、庭先のぶどうで起こした酵母でパンを焼いている・・・あの頃の未来、そのものですな〜。しみじみ・・・

 ま、そんなことはともかく、たまにはパンの写真を。




 先週から作っている、「紫いも&バニラ」
 バニラビーンズを漬けこんだホワイトラムの自家製バニラエッセンス(?)でバニラの香りを効かせた紫いものペーストを巻き込んだ、ほんのり甘めのおやつパン。しっとり感もほどよく、緑茶にも合いそうです。