風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

自家製酵母でパンを焼く

 先週末も、結局2日間臨時休業をしてしまった。
 お店まで足を運んだら、
 
 あれ?
 臨時休業??

だったお客さま、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m
 26日の金曜日は作れたものもあって、販売できたのだが、土日までは無理だった・・・。

 パン屋になる!と決意してから実際にパン屋を開店するまでの7年間、5月後半から9月前半までのどこかでパンが作れなくなり、1年間通して自家製酵母でパンを作り続ける、ということができなかったにもかかわらず、開店してからこれまでの3年間、無事に途切れることなくパンを作れたのは奇跡的なことだった。なので、ついにこの日が来てしまったか・・・と、想定内のことではあったが、やはりショックは大きかった。
 これまでの経験のあれこれを駆使して、何とか今週末はパンが作れそうなところまで酵母を復活させられた(ような気がする)が、まだ本当に作れるかどうかはやってみないとわからないうえに、いつまたこのような事態に陥るかもしれないという可能性もなくなったわけではないので、今もって綱渡りであることは変わりない。
 ただ、このような事態に実際に陥ってあらためて思ったのは、自分が食べたいパンは自分で起こした酵母で作ったパンだし、買いに来てくれるお客さまも、この味のパンを食べたいと思ってきてくれているのだから、市販の酵母で作るという選択肢はないな、ということ。パン屋を開店する前に、もしも自家製酵母でパンが作れなくなった時にはどうするか?ということを考えた時に、その時は一時的に休む。しかしどうしてもそれが長引くようであれば、市販の天然酵母を使うこともあるかも・・・とも思ったのだけれど、実際にこの局面にぶつかってみると、市販の天然酵母を使うことはほぼないだろうと思うに至った。
 自家製酵母でパンを作るということは、私のアイデンティティ。おおげさにいえば、そんな感じ?
 焦りながらも、試行錯誤しながら酵母を起こしていくことは楽しかった。そういう時間が、好きなのだ。
 この家で、この場所で、身近にいる酵母を使ってパンを焼く。その中で、自分が食べるパンを焼くときに少し多めに焼いて、それを売ったお金で暮らせるようになりたい。これからここで、そんな生き方をしたい。そう思って始めたパン屋だから。