風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

会津 心の旅

 毎週木曜日は、益子町のスターネット用のパンを焼いているのだけれど、先週は陶器市が開催されていたためにいつもの5倍くらいの数のパンを焼いた。それも、パン屋を開店した年からご縁を頂いているので、早くも今年で5回目となる。
 毎年、それだけの数を小規模かつアナログな道具も駆使して作るのに四苦八苦するのだが、5年目の今年は比較的うまい具合に進行できた・・・とはいえ、午前1時半(真夜中です)くらいから仕込を始め、仕込が終わったあとに1時間半くらいの休憩をはさんで(この間にちょっとした片づけをしたりゴミを出したりお風呂にも入るので、寝る時間はほぼない)、朝9時頃から1次発酵が完了した生地を分割→成形→焼成という作業を再開して、そこからはトイレにも行かず水も飲まずにものすごい集中力で3時半までノンストップでパンを焼き続けた。トイレくらいは行きたいところなのだが、最初に分割成形したパンが2次発酵が終わって焼成となりつつ、その間にも次の生地を分割成形して2次発酵に持って行き、その間にも焼成やら次の生地の成形やらがループのように繰り返される算段となってしまうために、トイレに行くタイミングを掴み損ねたまま、結局最後までやり切ってしまったのだった。
 パンを焼いた後も袋詰めや片づけがあり、その間立ちっぱなし。間違いなく、へとへとになる。

 そんな状況があらかじめわかっていたので、今週はスターネットの納品を休ませてもらうことにして、月曜日から木曜日まで、4日間が休日となり、水曜日、ようやく疲れが抜けたところで久しぶりに会津までドライブした。
 毎年、

 1.紅葉を見る
 2.蕎麦を食べる
 3.ささぎ(金時豆)を買う

という目的で会津にドライブするつもりでいるのだが、一昨年は塩原にたどり着いたところでみぞれが降り出し、スタットレスタイヤを履いていないためにあえなく峠越えを断念して帰ってきてしまい、去年は疲れが抜けきれずにドライブ自体を断念してしまったので、今年は3年ぶりの会津。だいたい、家事やら草刈りやら、雑用に惑わされることなく1日を過ごす、ということが久しぶりだ。
 ドライブの目安としては、11月3日頃が塩原の紅葉がピークになるので、その前後で予定を立てる。
 11月7日となれば、通常なら会津の紅葉はピークを過ぎてしまっているが、今年は11月に入ってもあまり寒くならなかったためか、南会津の町中から見える山々はちょうど紅葉のピークだった。天気がよければもっときれいに見えたのだろうけど、雲って靄がかかったようになっていたため、色合いがくすんで見えたのが残念。写真も撮れなかった。
 それと、ささぎ(会津の金時豆)も、物産館にまだ出ていなくて買えなかった。
 そのかわり、新蕎麦は食べた。会津の10割そばは、やっぱりおいしかった。
 さらに、気になっていた観音沼森林公園にも行けた。ただ、着いたのが3時過ぎで、天気の具合で薄暗かったこともあり、園内をゆっくり歩くことはできなかった。でも、近くに広いカラマツ林があり、それがとても美しかった。
 カラマツの紅葉(というか、黄葉)が好きで、カラマツ林が見たいと思っていたのが叶ったので、大満足。
 天気のせいで、写真は撮れなかったけど・・・。

 あらためて思う。
 私にとって会津は、心のふるさとだと。
 会津の風景を見ると、心が落ち着く。
 13年半住んだ会津から実家に戻り、「帰る」場所がなくなったと思っていたけれど、今の私が帰る場所は会津なんだと、しみじみと思う。今度は春に、あのカラマツ林を見に行こう。

 ささぎは買えなかったけれど、会津身知らず柿を見つけて、思わず買ってきた。
 

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 渋柿をさわした身知らず柿の、少しねっとりとした甘さは、やっぱり、「心のふるさと」の味だった。