年末年始に寒波が来て、日本海では大雪、という天気予報を見ると、以前暮らした会津のことを思い出す。
住んで、経験してみなければわからない雪のある暮らし。
子供の頃から雪国に憧れ、いつか一度は住んでみたいと豪雪地帯に引越したおかげで、大雪の風景が実態を持って思い浮かぶ。
いちばん最初に雪道を車で走った時の緊張感を、未だに覚えている。
お正月休みに実家に電車で帰り、戻ってきたらすっかり雪が積もって町中も道路も一面の雪に埋め尽くされ、いきなり雪野原に放り出されたように雪道を運転するはめになった。
そして、「白い魔物」という言葉の意味を、そのときに理解した。
国道に出たらあたり一面が真っ白になっていて、どこが道の端なのかがわからず、まるで夢の中を走っているようだった。
その会津から真岡に引越したのは、2011年の年も押し詰まった12月26日のことだ。
数えてみれば、真岡市民に戻って早くも丸7年になる。
今ではすっかり関東人となった私は、冬でも布団を干せる恩恵にあずかっている。
冬の夜、太陽の匂いのする布団にもぐる幸せは、何物にも代え難い。
年末年始も、こちらの天気予報は、晴れ続き。
今日は、冬空の青を撮りたくなって、カメラを向けた。
庭に自生しているノイバラの、赤い小さな実。
今、ここにある風景。