風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

ブルーベリーを摘む時間

 金曜日の営業時間のちょっとした合間に、ふと、

 そうだ!
 ブルーベリーはどうなっているだろう?

と思い出し、熟し始めた早生の木を見に行ってみると、いい感じに色づいた実が・・・

 ある!!

カラスや他の鳥たちの餌食になることなく、青々とした実が樹上にちらほらとついている。
 早速小さなボールを持って摘んでみると、それなりの量が採れた。

 去年までは実を「収穫」することなく季節が過ぎてしまっていたのだけれど、今年はようやく「収穫」といえるくらいに摘めそうだ。
 考えてみれば、ブルーベリーの実を畑で摘みとる、という時間が久しぶりだ。と言っても、今私が育てているのは、庭に植えた6〜7本ブルーベリーなのだけれど。
 会津にいた頃は、畑を借りて200本くらい植えていた。というと、ものすごいことをしていたように聞こえてしまうが、実際は草刈りが間に合わなくて、ブルーベリー畑はなんとも悲しい有り様になっていた。(ごめんなさい)それでも、苦境に負けずにブルーベリーは少しずつ大きくなり、そんなブルーベリーと雑草の入り混じる畑を歩いて実を摘む時間は、至福のひとときだった。
 さらに、時々、ブルーベリーの師匠の畑でラズベリーやブルーベリー摘みの手伝いをしたあの時間も、私の中の大切な記憶となっている。特に師匠の畑は、国道から少し山あいに入っただけなのにどこか隔世の雰囲気が漂っていて、あの場所で風に吹かれると、心に貯まった鬱屈とした気持ちが解きほぐされた。

 ほんの少しの実を庭を歩いて摘んだだけなのに、色々な思いが沸き上がってくる。
 今私がパン屋をやっている、その時間に繋がる最初の出だしも、会津で畑を借りてブルーベリーを植えたところから始まっている。
 ブルーベリーは私の守り神。庭にブルーベリーを植えているのは、どこかにそんな思いもあるからなのだ。