風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

過去へ繋がるパスワード

 パン屋開店から早くも6年目に突入したわけなのだが、あおいベーカリーのブログは当初、パン屋になる!と決心した2007年から、個人的なブログとして「はてなダイアリー」で書き始めた。
 パン屋になる!と決心した頃は福島県の会津にいたのだけれど、その後あれこれあって2011年に実家のある栃木県に戻ってきた時に、それまでのブログを一度、全部消して、新たな気持ちで書き直し始めた。その後、実家でパン屋を開店するために工房を建築することになった時に再度またブログを真っ白にして書き出しているので、3度目のブログとして今に至っている。
 それが、機能の更新などから「はてなブログ」が新しくできて、今年の1月までに「はてなダイアリー」の機能がすべて停止されることになり(そのため、はてなダイアリーでは記事の書き込みができなくなる)、「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」も、去年のうちに「はてなブログ」に移行した。・・・はずなのになぜか、「はてなダイアリーからはてなブログへの移行」に関するお知らせメールが届くので、他にも何か書いていたブログがあったかな?と考えたところ、会津にいた頃に1年だけ運営していた いまここカフェ というカフェ(らしきもの)のブログをそのままにしていたことを思い出した。
 母体となる任意団体が解散することに伴いカフェも閉店したため、記事を書きこむことはもうないし、特に移行しなくてもよいのだが、一応どうしようかと考えながらブログを久しぶりに開けて、何気なく読んでみたら、そんなことがあったっけ・・・と懐かしい気持ちでいっぱいになった。
 お客さまとのやりとりなど、もう忘れていることがほとんど、というのはちょっとショックだったが(自分の記憶力の衰えがひしひしと…)、特にカフェをやっていた後半は2011年の3月から7月という、東日本大震災の直後だったこともあって、浜通りから会津に一時避難してきた方がカフェに来ることも多く、いつもとは違う特別な時間がそこに流れていた気がする。お客さまから色々と話しかけてもらったり、おいしかったと言っていただいたり、ブログを読みかえすと、会津という地で誰からとなくいただいた温かい何事かがあることを感じるのだ。そして、その時間が今に繋がっていることも。
 それに、その頃作っていたパンも、なんだか懐かしかった。

 それで、必要がなければ後から消すこともできるので、とりあえず、はてなダイアリーで書いたいまここカフェのブログを、はてなブログに移行しておくことにした。
 そこで一瞬とまどったのが、アクセスするために必要なIDとパスワード。何だったっけ?
 微妙に覚えてはいるのだか、確かではない。考えてみれば、そのカフェを閉じてからもう、7年以上が経過している。
 とりあえずあんな感じだったかな~というので試してみると、はずれていた!?
 IDとパスワード。どこが合っていてどこが合っていないのかわからないまま、いくつかやっているうちに思い出すものがあり、ようやく開錠!何とか管理ページにたどりつき、作業を完了した。
 ちなみに、パスワードに入れていたアルファベットの言葉はうる憶えになっていたのに、カフェの開店日にしていた数字の方は正確に覚えていた。開店日は特に自分に由来のある日でも覚えやすい日でもなかったのに、不思議だ。

 時々、想像してみることがある。
 ある日、自分が思いがけず命を落としてしまったら、このブログは時を止めたまま、この世界の時間軸のどこかに永遠に残っていくのだろうか?と。
 そんな、主(あるじ)を失ってしまった言葉たちが、この時代にはたくさん浮遊していそうだな・・・。