買い物をしに外を歩くと、道すがら、ほんのりと甘い香りがするようになった。
どこかで、金木犀が咲き始めたらしい。
庭では、ゲンノショウコが咲き出した。
草刈りをしたら、葉っぱがあちこちに増えていたので、今年はたくさん花が見られるかも。
水引草も咲いている。
水引草のほうは、草刈りの時に引き抜いてしまったことが多かったために、株が減ってしまった。種で増えてくれるといいなぁ。
ちなみに、ゲンノショウコも水引草も、赤花の他に白花もある。
そろそろ咲く頃だよな~と思って見てみたナンバンギセルも、咲いていた。
野菊はどれも姿かたちが似ていて、名前がよくわからない。
夏の終わり頃から咲いているのは白い花なのだけれど、数日前から咲き始めたこれは、ほのかに薄い紫色をしているので違った種類だと思うのだが、葉の形や枝の出方はどちらもそっくりなのだ。ただ、花の色が微妙に違うのと、花びらが細くて少し多いような気がする。紫苑(シオン)では?と思っているのだが、定かではない。
日当たりや草刈りの時期やむしり具合によって、年々、庭の植生が変わっていく。
工房の裏口近くに生え始めたオオバコが今年はかなり増えて、地面を埋めつくしている。
子供の頃、あるいは中学~高校~大学生の頃になりたかったものは、いくつかある。
流浪の民、遊牧民、吟遊詩人、絵本作家、旅をしながら写真を撮る人(写真家?)、コピーライター、ジャム屋・・・どれもなれなかったけど。しかも、人と関わることが苦手だったので、自由業ばかり思い浮かべていた(笑)
秋のこれらの草花や春のハコベやナズナやハハコグサなど、懐かしい雑草に出会うと落ち着くのは、子供の頃に植物学者を夢見ていた自分がそこにいるからなのだろう。そう言えば植物学者は、人生の中でいちばん最初になりたいと思った職業だったかも・・・。
研究室で顕微鏡を覗いている人も、高校を卒業する頃にかなりリアルに就きたいと思った職業だった。(生物の時間の「発生」が好きだったので、空想の中では細胞を見ていた)
最終的に今、「自家培養の酵母でパンを作る人」になっているわけだが、私としては、植物学者や顕微鏡で細胞を見ている人にかなり近いものがある。
職業として何をしたいのか?を考える時にはいつも、最終的には何かしら実用に即したものを作ることに結びつけたいと思っていた。そう思うとまさに、その通りになっているではないか!
我が家のぶどうで起こしたパン種も、順調に育ってきている。それを見ているだけで、心が躍る。