先週いらした小さな子ども連れのお客さまから、
イーストの販売は
していませんよね?
どこにいっても
売っていなくて・・・
と尋ねられた。
ゴールデンウィークの最中、今年は「おうちにいよう」という事態になって、この機会にとパン作りに挑戦している人が増えているのか、スーパーでイーストが売り切れになっているらしいのだ。
そんなこともあったので、あらためて説明いたしますと、ここで作っているパンは、すべて自家培養したパンの元種を使って発酵させているので、いわゆる市販のイーストは使っていない。
元種もイーストも、酵母が元になっているので、そういう意味では同じものなのだけれど、市販のドライイーストや天然酵母という名前がつけられてパッケージされたものは、選抜された1種類の酵母を科学的に純粋培養したものに、酵母のエサとなるものを添加して、安定してパンが作れるように調整してある。
一方で、自家培養したパンの元種は、小麦粉を自然な状態で発酵させているので、種々雑多な菌が入り交じった中で、酵母がいちばん優位に立っている、という状態になっている。それ故に、膨らみは悪いけれど、小麦粉の風味が残った複雑な味わいと適度な噛み応えのあるパンになる。
さらに、たくさんの菌が働くことにより日持ちがよくなり、時間が経つにつれて味が微妙に変わっていく。
(とはいえ、通常は常温で1週間は日持ちしますが、気温が上がってくるとカビが出やすくなるため、5月~9月は冷蔵庫で保存してくださいね)