小学生の頃に、身近な草花として教科書とか図鑑に載っていた記憶が鮮明に残っているものの一つに、「コマツナギ」がある。学校との行き帰りの道端にもよく咲いていて、かわいらしいピンクの花が好きだった。
それが、道がアスファルト舗装となってあぜ道や道端という空間が消えていくごとに、この花もいつの間にか目につかなくなった。
馬を繋げるほど茎が強いので「コマツナギ」、という名前の由来まで覚えているその花を、何十年ぶりに見かけたのは、母が入院した病院の帰り道に通った、神社の土手だった。その後、真岡に戻って真岡市民となって暮らし始めてから散歩がてら歩いてみた道の、アスファルトの切れ目に咲いているのも見つけた。
あら!?
こんなところにも!!
しかし、こういう雑草がいつしか絶滅危惧種になっている・・・ということも、よくある話ではないだろうか?そう思うと気が気でなくなり、一枝折って持ち帰り、挿し木して苗を作って去年の秋に庭に植えたところ、
無事に根がついて、咲いた〜!
母がどこからか採ってきて植えたのか、どういう由来でうちの庭に咲いているのかはもうわからないのだけれど、カワラナデシコもこの時期に咲く。オレンジ色など、華やかな色の花が多い夏に、このピンクは何だかほっと落ち着くようだ。
知らなければ見過ごしてしまいそうな小さな草を記憶の隅に残しておくには、歩く速度で周りを見渡さないと、見つけることはできないのだろう。
コマツナギもカワラナデシコもパン工房の入口のすぐそばに咲いているので、見つけてみてくださいね。
蝉の声もいちだんと賑やかになって、夏真っ盛り。