子供の頃の私は、世界も世間も右も左もすべからく解らないぼーっとした子供だった。今から思えばなんであんなに何もできなかったんだろう…と自分が情けなくなるのだが、人と話すのが苦手でそのことについて先生に言われることが多かったからか、いつしか他人の心を想像して、こうしたらこう言われるかもしれないからそうしないでこうしよう…みたいな、妙な先読みの癖がついてしまったような気がする。
ヘンに気をまわしすぎてはずれたり、考え過ぎて人間嫌いになったり、ついには自分が疲れてしまったり、若い頃はその癖があまりいいようには働かなかったのだけれど、たぶんそんなことが積もり積もってのことなのでは？と思うのだか、いつからか予知能力とか透視能力とかテレパシーとか・・・ま、そこまで大げさなものではないのだか、予感が当たった！みたいなことがわりとよく起こるようになった。
たとえば友人に何かを送る時に、隙間が空いたところにちょうど納まる大きさだった、買い置きのあったこだわりのしょう油を何気なく入れたら、その荷物が友人宅に着いた夕方、たまたましょう油を切らしていて、買いに行くか近くの知り合いに借りるかしないとな・・・と思っていたところだったとか、アメリカに住む妹に頼まれた荷物を送る時に、ついでだから何か適当なものも入れておこうと入れたノートやハンドクリームが、これ欲しいと思っていたんだよ〜！いろいろ頼むのも悪いなと思って、本当は入れてほしかったんだけれど言わなかったんだ…というものだったとか、ここ１０年くらいの間にそういう出来事がひんぱんにあるようになった。
で、今月は、あのお客さま最近来ないけれどどうしているかなぁ・・・と思い出していたお客さまが、久しぶりに来た！ということが何件かあったり、１ヶ月に１度くらい、仕事がいいタイミングで終れることになった日に来てくれている下野市のお客さまが、今日あたり来そうだな・・・と思って、カンパーニュを多めに焼いた日に、やっぱり来た！と予感が的中したり、予知能力絶好調（？）なのである。
そんな、テレパシー全開か？と思われる本日なのだが、久々に来たとあるお客さまにはその能力が及ばなかったらしく、今日会えるとは予想していなかった。でもって、
あ そうそう
これ 渡そうと思っていたんだった
はい
テレビがないって言っていたから
録画して ＤＶＤにして持ってきましたよ
と長話の途中で渡されたものを見て、思わず声を上げた。
うわ〜！
これ 見たかったんですよ！！
録画 頼むっていうのもなぁ・・・と思って
ＮＨＫオンデマンドでやらないかなって
見ていたんです
手渡されたものは全く予想外の、感動の嵐を呼ぶサプライズな贈り物だった。
実はワタクシ、何を隠そう、スガシカオの１５年来の大ファンなのだが、１１月２日のＮＨＫ『仕事の流儀』に出演することは知っていたものの、我が家にはテレビがないため観られなかったのだ。
奇しくも、私がパン屋を始めるつもりで実家のある真岡に戻ってきた２０１１年、スガシカオもそれまでのメジャーを離れていったん個としての立場に帰り、自分の音楽を追及するために所属事務所を辞めたのだった。それから、怒涛の４年間を駆け抜けて再びレコード会社と契約を交わし、５０歳になるまでに自分が納得できる記念碑的なＣＤを作る、という目標を今まさに達成しようという瞬間にいるということを知っていたので、その番組、本当に見たかったのである。
たまたま、スガシカオのファン、ということと、テレビがない、と話したことを覚えていてくれて、さらに、番組予告で来週はスガシカオ、というのを見て録画予約までして、しかもそれをＤＶＤにまで起こしてくれた・・・もう、大感激ではないですか！
あ〜、私はなんて幸せ者なんでしょうと思った今日の出来事、これは予測できなかったがゆえに感激もひとしおだったことを考えると、予知能力もありすぎてはいけないのだな、と思った（笑）
で、話はテレパシーに戻って、そういう能力は人間誰でももっているらしいのだが、気づかないでいるだけ、あるいは使わないので退化してしまうという話を聞いたことがある（ような気がする）。
私自身、ある時から見えないものを感じるようになった。完璧に「見える」という能力は持っていないので、そんな気がするだけで、果たしてこの気配を感じていることは合っているのか？気のせいなのではないか？と、確信を持てるまでには至っていないのだが、いわゆる「わかる」人に聞いてみたところ、その場所にこの世ではないところの人たちがたくさんいたり、実際にはいない猫の気配が部屋の中に現れたのをその場で確認したことがあるので、見えないものの気配を感じている私のテレパシー（？）は、あながち間違ってはいないらしい。
といっても、私に特殊な能力があるわけではなく、そんなこともあるかもね、という話である。
念のために言っておくが、あおいベーカリーは占いの館ではなく、あくまで「パン屋」ですので、お間違えなく〜（爆
