もう9月…と言っていたと思ったら、もう10月になってしまった。(いつものことながら、早い!)
寒暖の差が大きい今日この頃だが、それでも空の色や空気の匂いや光の加減はすっかり「秋」になった。
そんな中、9月の後半から店頭で目につくようになったのが、和梨。
折しも明日は体育の日だけれど、子供の頃、運動会(今は春に運動会があることも多く、今どきの子供たちは知らないのかもしれないが、昭和の頃は10月10日が体育の日で、かつ10月10日は晴れの特異日で、運動会は10月にあるのが普通だった)には、母がお弁当といっしょに必ず梨を持ってきて、ナイフで剥いてくれたのを覚えている。(これも今どきの子供たちは知らないのかもしれないが、昔は運動会には親がお弁当持参で見学?にきて、昼食時には校庭で親と一緒にお弁当を食べたのだ)
でも、まんじゅうよりもせんべいが好きだった子供の頃の私には、ただ甘いだけの味しかしない梨があまりおいしいとは思えず、自分にとっての梨の記憶と言えばその時の印象が強烈に残りすぎたために、大人になってからもあえて梨を自分で買って食べる、ということはなかったのだった。
それが・・・
7年前に真岡(の実家)に何十年ぶりに戻ってきて、直売所に野菜を買いに行ってみると、秋には必ず和梨が店頭に並んでいるではないか。それを見て、
真岡って、梨の産地だったのか・・・
と、あらためて知った。
そして、なんだか久しぶりに梨を食べてみたくなった。で、1袋500円(中くらいの大きさなら5個入り)のものを買って食べてみたら、
おいしい~!
和梨って こんなにおいしいものだったの!?
芳醇な甘い汁がしたたり落ちる和梨をほおばり、一気に印象が変わった。大人になった(っていうか、人生ももうだいぶ後半になってきた)私には、目からウロコくらいの新鮮な驚きだった。
ちなみに、真岡に帰ってくる前に住んでいた奥会津(福島県)では、1時間半~2時間で新潟や山形に越境できたのだけれど、山形県の道の駅や直売所に行くと小ぶりの洋梨が1袋6~7個入りで500円で買えたので、秋のドライブがてらわざわざ買いに行き、よく洋梨を食べていた。新鮮でおいしいラ・フランスを毎年15個以上は食べていたと思うのだが、考えてみれば、とても贅沢だったなぁ。今は、スーパーで売っていてもあまり自分の目の届く場所に置いてなかったり、そう言えば洋梨の季節だと思い出して見てみても、値段や新鮮さの面であまり買う気になれずに、食べそびれていることが多い。
そんなわけで、今年も真岡の和梨を買った私は、梨で酵母を起こしてみることに。
糖分の多い梨は発酵しやすく、パン作りに向く酵母とも仲がいいようだ。
発酵液と小麦粉を混ぜて作り始めた元種も、順調にかけ継ぎの段階に進んでいる。
夏の間、成型が難しくてバターボール(丸パン)になっていたバターロールも、今ではちゃんとバターロールに成型できるようになった。
しみじみと、秋の恵み。
小さな幸せが、心に灯る。