風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

マクロとミクロ

 インスタグラムを始めようと思った時に、手軽に持ち歩けるコンパクトデジカメが欲しいなぁと思い立ち、あれこれ見ている間に何だか新しい一眼レフが欲しくなり、いやいや、経済的にそんな余裕はないぞと戒めたところでふと、そういえばずっと前から100mmマクロレンズが欲しかったんだっけ。今持っているカメラに付けるマクロレンズを買う、という選択肢はどうなんだ?と、煩悩が迷走を始めてしまったのだった。
 で、値段を調べてみたら、新品が5万円くらいするのですねー。やっぱり、高価である。
 とはいえ、見てしまったら、ずーっと欲しかったんだよな~とすぐには諦めきれず、中古だったらいくらなんだろう?と探してみたところ、Amazonに出品されている「良品」が新品の3/5くらいの値段だった。さらに、「ポイント還元」と書いてあったので結果いくらくらいになるのかレジまで行って計算したら、何だかんだ値引きできるポイントを使って新品の半額までになった。

 これって
 ちょっとしたコンデジと同じくらいの値段じゃん!

と考えたら、コンパクトデジカメを買うより100mmマクロが欲しい!となり、迷いに迷った挙句、ついに煩悩に負けて、えいっと買ってしまったのである。

 たぶん ここで買わないと
 いつ買えるかわからないよなー
 ずっと 買わないままになるかも
 だったら 今買って すぐに使ったほうがいいでしょ

ま、買うための自分への言い訳ですな。
 ぽちってしまったらあとは、

 早く 来ないかな~

となり、レンズが届いたらさっそく本体に取り付け、

 何か 写すものないかな~

と庭に目をやったら、ひょっこりとクロッカスが咲いていて、

 こんな日に クロッカスが咲くなんて
 なんていう 奇遇だ

とタイミングの良さに驚きつつ、クロッカスにマクロレンズを向けた。
 その、マクロレンズ初撮影がこちら。

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 翌日、クロッカスの花数が増えていて、そこにきれいな光が射していたので、またもやカメラを持ち出した。

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 マクロレンズはピントの加減がとても繊細なので、マニュアルにして自分の手でピントを合わせる。悲しいかな、老眼が進んで新聞を読むにも遠くを見るにもメガネをかけ替えなければならない年齢となってしまった私に、ちゃんとピント合わせができているのか自信がなかったが、パソコンで画像を見て確かめたら、結構いい感じに合わせられているではないか。
 数十年前、フィルムカメラ時代に初めて100mmマクロを使って、そのレンズの面白さに惹かれていたのだが、その時の感触がよみがえってきた。
 言うなれば、自分が写真がうまく撮れるようになったかのような錯覚に陥る面白さ!?
 合わせる視点が変わるだけで、いつも見ているものとは違う景色が見えてくる。

 話は少しずれるのだけれど、先週久しぶりに会った懇意にしていただいているお客さまから、こんな話を聞いた。
 
 地球の寿命は
 これから 50億年後に
 太陽に飲み込まれて終わる
 
物理学的にそう言われているそうなのだが、その話を聞きながら頭の中には太陽に向かって地球が吸い込まれていく絵が思い浮かび、その地球の終わり方がとてもロマンティックに思えてしまった。
 地球の寿命が尽きる前に、地上の生物は死に絶えてすべてが滅亡するのだろうか。
 それとも、その瞬間まで、生きている生命体がいるのだろうか。

 自家製酵母でパンを作り始めた頃、発酵に興味を持ち、いくつか本などを読んでいたら、マグマの中にも微生物がいる、という話に行き当たった。どんな環境の中にも微生物が存在しているらしく、その可能性は無限だとか。(未だに人間が知り得ていない小さな生き物もいるのだろうね)
 マグマの中で生きている微生物!?と読んだ瞬間には驚いたけれど、よくよく考えてみれば、マグマの中は人間にとっては生きられる環境ではない、というだけのことで、その環境こそが生きやすい生き物がいたって何ら不思議ではないはずだ。
 その時の一文で、自分がいかに人間目線だけで世界を見ているかということを、微生物に興味を持ったことで思い知った。

 もう一つ、件のお客さまと話していて気になった話があるのだけれど、大震災や昨今の台風の被害に遭って、家や家族や仕事や故郷を失くした人たちが、それを乗り越えてでも生きようとする根本には、死ぬのが怖いという感情があるからではないか、と。確かに、それはあるかもな~、だとしたら、死ぬことが怖いと思う感情も大切なものなのかな、と、死ねることは幸せなことと思っている私には、目からウロコの発想だった。
 ちなみに、なぜ私が「(いつかは)死ねることは幸せなこと」と思っているかというと、このブログの中でも以前書いたことがあると思うのだが、子供の頃に読んだ『ガリバー旅行記』の中に出てくる、ガリバーが「飛ぶ国」に行った時の話に基づく。
 書きはじめると長くなるのでここでは割愛するけれど、興味のある方は『ガリバー旅行記』を読んでみて。
 さらについでにだけれど、その、ガリバー旅行記に出てくる「飛ぶ島」の名前を知っていますか?それは、

 「ラピュタ」!