昨日から、よもぎあんパンとよもぎのバターロールを作り始めた。
旧暦で2月を表す、
如月(きさらぎ)
という言葉の響きが好きだ。
旧暦は月の満ち欠けをもとにしたものなので、太陽の運行をもとに作られている新暦でいうと、陰暦の2月は新暦の2月下旬から4月上旬にあたる。
如月の語源として、衣更着(きさらぎ)=厳しい寒さに備え重ね着をする季節(衣を更に重ねる)という説や、陽気が更に来る月だから「気更来(きさらぎ)」、春に向けて草木が生えはじめるから「生更木(きさらぎ)」という説があるのも頷ける。
会津で経験した雪国の春。
2月になると、毎日のように降り続いた雪が止むようになり、どんよりと空を覆っていた雪雲が切れて、青空が見える回数が増え、地上に光が差してくる。
どこからか雪どけ水の音がして、鳥の声も聞こえてくる。
木の根元から丸く溶けていく森の雪。
朝方の気温と地面に降り積もった雪の気温差が作る、雪上に立ちのぼる深い朝もや。
ようやく根雪が消える頃には新緑の季節になり、待ってましたとばかりに草木は一斉に新芽を伸ばす。
雪国に住むと、春が来た喜びを心と体で感じることができた。
よもぎで作るおやつは、どこか、そんな早春の喜びに満ちている。