夕方、このところの暖かさで急に枝葉が伸びたモミジの剪定をした。
剪定といっても自分の裁量で切り落としていくだけなので、木を整える、という形には行き着かないが、とにかく自分の手の届く範囲にとどめておかないと手に負えなくなってくるので、そうなる前に枝を切り詰める、という意味での剪定である。
モミジと隣り合わせでコナラとユスラウメも立っていて、自宅から工房へ行く道の際になるため、邪魔にならないように背を低くしているので、そちらもついでに剪定した。
脚立に乗って、背の高い場所のモミジの枝を切りつつ、下に見下ろす位置のユスラウメの枝も切って、コナラの枝も切り、下に落とした枝を集めた。
枝を取りながら、
うわっ！
何だ これ？
一瞬、枝を落としそうになりつつ、ユスラウメの葉っぱの上に、妙な緑色の物体があるのを発見！
遠巻きによく見てみると、動いていないし目もツノも模様ない・・・ようだ。
これ サナギ？
考えてみれば、青虫や成虫は見たことがあるけれど、サナギを見た記憶がない。
最近よく庭を飛び回るようになった、モンシロチョウかキチョウだろうか？
ユスラウメの木に再度目をやると、葉の上にサナギとおぼしき物体があちこちに乗っている。見た目からすると、サナギになったばかりのようだ。
うちの この木の上で 繁殖していたのか・・・
春真っ盛りのこの季節、アマナが花盛りとなって花畑が出現し、カラスノエンドウの赤紫の花が咲き、カキドオシやクサノオウなど薬草が生え、我が家の庭はちょっとした里山の景色になる。
そう言えば、今日からゴールデンウィーク。
年間通して金・土・日曜日営業のパン屋にとって、祝日は関係ないのだけれど、去年の１０連休が懐かしい。
今年は、いろいろな意味で「ゴールデン」にはならなかったけれど、私自身は庭の風景を見ているだけでも楽しめている。
モミジを剪定するのに脚立に上がって、さらに枝のある上方を見上げてみたら、天頂近くに上弦に向かう月がうっすらと見えた。
脚立に上って、月に少し近づいた気がした。
時間は確かに流れている。
サナギが静かに羽化の時を待つように、ヒトも ウィルスが沈静するその時を 静かに待つ。
