エルダーの花が、満開になった。
風が吹くたびに細い枝が揺れて、ハーブのような花の香りがほんのりと、庭に漂う。
その瞬間、「ここにいる」という そのことが、幸せのアロマテラピーになる。
パン工房の奥の、庭の南側には、今年もアマナ畑が出現した。
「出現」という言葉そのままに、この季節限定で一斉に花を開き、花が終われば葉も、いつの間にか消えていく。
以前にもブログに書いたことがあったけれど、同じ土地に季節ごとに違う植物が芽を出して花を咲かせて、植物も昆虫も微生物も小さな一角でたくさんの循環がなされている不思議。
それに比べて人間は、一つの区画に一人しか住まえない。なんだか、不合理だな。
春に咲く、白い花。
春分の日を起点として季節が巡るとするならば、新しい季節の始まりだ。
それにふさわしい、純白と呼びたい花の白。
この季節を待っていたかのようにミツバチがやってきて、盛んに蜜を集めている。
新緑が夕陽に染まる。
春風が心地よく 通りすぎていく。