月曜日に食材を買い出しに行った時、あさりに目が留まった。そして、
久しぶりにあさりのパスタ、食べたい!
と先週思いつつも、作り損ねていたことを思い出した。
今週こそは食べよう!
と、あらためてあさりを見てみると、パック詰めにされたあさりは水のない場所にぎゅうぎゅうに詰め込まれ、いかにも息苦しそうではないか。
かすかに口を開いたもの、み、水~!といわんばかりに殻のすきまから吸水管&出水管を出したもの、ひっそりと口を閉じたもの。何というか、この世が終わる最後の瞬間に直面しているような、アサリたち...(怖い…
どれが新鮮なのか?ということ以前に、とにかくこの子たちを早く連れ帰って、水に浸けてあげなければ!という気持ちにさせられるのだった。
とはいえ、私が必要なのは1パックのみ。それも、1食分のあさりのパスタを作る分で十分なのだが、パックにはどれも山盛りに詰め込まれている。
どれにしよう・・・
悩みつつ見ていると、どのパックからも救いを求めているようなあさりの視線を感じるのであった。
い、いや・・・
欲しいのは 1パックだけだから・・・
いいも悪いも、とにかく一番少なそうなものを選んで、連れ帰る。
そして家に帰ったら、早々にボールに水を汲んで適当に塩を入れ、あさりを放り込んだ。
ぷは~!
生き返った
という声が聞こえてきそうに、ボールの中であさりたちが蠢いた(ような気がする)。
1日置いた、火曜日。
パスタにする日が来た。
恐る恐るボールの中を見ると、ようやく水の中に入れて気がゆるんだかのように、身体を殻の外にびろ~んと出し切ったあさりがいくつか。あとは、静かに口を閉じたあさりたち多数。
生きているのか死んでいるのか、よくわからない。
君たち 生きてるの?死んでるの?
大丈夫なのか このあさり・・・
とにかく これが最後だよ
ふふふ・・・
いや 笑っちゃいけない
ありがたく いただきます
この期に及んで(!?)、何か言わずにはいられなくなった。
フライパンに多めのオリーブオイルとつぶしたにんにくを入れて火にかけ、温まってきたところであさりをブチ込み、蓋をする。
しばらくしてから蓋を開けて見てみると、あさりが口を開けてきた。
白ワインがあればよかったのだがなかったので、水を少し入れて蒸して、しめじを投入。
しめじに火が通ったところで、ゆで上がったパスタを加え、塩、黒胡椒、しょう油で味をつけて出来上がり。
ボンゴレ・ビアンコ、というようなおしゃれなものではなく、あさりとしめじのパスタである。
しかも、あさりがあまりに多くて、殻だけでものすごい嵩になってしまった。
それにつけても、久々に作ったあさりのパスタ。味はどうだろう?
期待と不安を胸に、一口。
うう~!
うまい!!
大量のあさりのおかげもあって、オリーブオイルとあさりのうまみが凝縮されている。
それから、殻に埋もれすぎて麺を絡め取るのも難しいくらいになっていたので、ちまちまとあさりの身を殻からはずしつつ、パスタを食べた。
最後は、お皿に残った汁(スープ!)も飲んだ。
あ~ おいしかった
満足。
早春の味わいを堪能した。
ちなみにあさりは閉じたままのものは1個もなく、どれも口を開いた。
全員、成仏したことだろう。合掌。