風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

遅ればせながら酵母記念日10周年・・・でした。

 今週になって夏の蒸し暑さが戻ってきて、昼間は蝉の声がいまだに賑やかなのだけれど、今朝の青空の色合いはすっかり秋めいていた。
 夕方にはヒグラシが鳴いて、夏が終わりに近づいているのを知らせているようだ。
 、夜になってふと耳を澄ませてみたら、秋の虫の声が急に増えた気がする。庭のあちこちから、色々な虫の声が聞こえてくる。

 今年は、ぶどうにほとんど花がつかず、ゆえに実も小さなものが3房くらいしかならなかったのだが、昨日摘んで、実を外してみたら、酵母を起こすのに十分なくらいの量があった。それで、3か月くらい前に採取したブルーベリーの発酵液の残りに水を足したものといっしょに瓶に入れておいたら、昨日今日の暑さのおかげで一気に発酵が進み、ふたを開けるとすごい勢いで、

 ブッシュッ!
 シュワシュワシュワ〜〜〜〜〜!!!

炭酸ガスの抜ける音がした。
 それで、さっそく小麦粉と混ぜて、パンの元種を作り始めている。




 そう言えば、7月17日は(もうとっくに過ぎてしまったが)、私にとっての酵母記念日だった。私がパンを作ってみようと、初めてブルーベリーで酵母を起こし始めた日なのだけれど、今年は何と!10周年なのである。
 2007年7月17日以来10年間、自家製酵母でパンを作り続けているという自分の歴史(?)に、我ながら驚く。
 作り続けているといいつつも、失敗の連続だった頃もあるので、試行錯誤の10年だった。
 10年の間に母が亡くなったり、会津から実家に戻ってきたり、書ききれないくらいに本当にいろいろなことがあったけれど、我が家の庭のぶどうで起こし始めたパンの元種に酵母の吐きだす泡がたくさん増えてきているのを見て嬉しくなる気持ちは、あの頃と少しも変わってはいない。
 酵母が私の人生を変えた・・・。
 というのも大げさだけれど、パン屋としての今の暮らしは、こんなふうに生きたいとあの頃自分が思い描いた夢に、限りなく近いところにある。