先週の水曜日、外出する用があって外に出たら、
うわっ!
びっくりしたぁ〜!!
勝手口を開けたすぐ脇に、こいつがいた。
おお〜!
ナナフシ!
と思ったのだが、
あれ?
全然動かない・・・
枯れ枝がここにいきなりついている、ということもないだろうし、足らしきものでしっかり食らいついている。でも、ドアを開けた微かな風圧に驚いた気配もなく、私の視線を感じることもなく、びくとも動かない。
死んでいる…の?
ここで 急に
死んじゃったの??
とも思ったが、とにかくナナフシのようなので、急いで家の中に駆け込んで、カメラを持ってきた。
で、逃げてはいないかと同じ場所を見たら、
いる・・・
全然動かずに
いる・・・
やっぱり ここで 死んじゃったのか?
とりあえずそのまま、写真を何枚かとって、勝手口にかけてある炭バサミ(昭和な日本家屋の我が家は昔、薪がまのお風呂と炭ごたつだったので、その名残の炭バサミがいまだにあるのだ)を取って、そいつをはさんでみたら、
おお〜
生きていた!
手足を動かしたのである。
とにかく安全な場所においてやろうとすると、細い足で妙な具合に炭バサミにしがみついて、振り落とそうとしてもなかなか離れない。で、炭バサミの上で歩き出すので、
うわ〜
待って 待って
と、自分の方が驚いて、テンパった(笑)
なんとか勝手口脇のシダの生えているところに置くと、またじ〜っとして動かない。気になって見ていると、足を前後に伸ばして枝になりきろうとしているかのよう。それまでは茶色に擬態していたが、シダの上に置いたのでだんだん緑色になるのだろうと思いつつ、とりあえず用事を済ませにでかけることにした。この調子だと、帰ってきた頃もまだ同じ場所にいるだろうとの予想で。
が、予想に反してナナフシは私が帰ってきた時にはどこかに消えていた。シダの上で緑色になって隠れているのだろうと目を凝らしたが、いなかった。
それにしても、不思議な生き物だ。子供の頃に昆虫図鑑で見て、一度見てみたいと思っていたものの、実家にいた間に庭で見かけたことは一度もなかった。
それが、20代後半くらいの頃だったろうか。実家に帰省した折、母が、
この前 珍しいものを見たよ
庭に ナナフシがいた
と、教えてくれたのだ。
ええ〜!
どんなだった?
うちの庭にもいるんだ〜
見てみたい!!
私の興奮具合は、子供と同じだった。
それから数年後、やはり実家に帰省した折、庭に出ていた母が私の名前をいきなり呼んで、
ナナフシがいるよ!
来て!!
と教えてくれて、初めて実物を見た。
本当に 竹みたいに 節がある・・・
不思議〜
その時の感動は今でも覚えている。
それからもナナフシを目にすることは何年もなく、その後実家に帰省した時にもう一度くらい見たことがあっただろうか。そんな話を妹にもしたことがあったのだが、母が急に体調を崩して入院したのちに急逝した年、妹と細々した整理などのために2か月いっしょに実家で過ごしたひと夏の間にまた現れた。私が庭でナナフシを見つけ、そして今度は妹を呼んで、二人で見た。
そんなふうに、ナナフシに会うことはかなり珍しい出来事ということと、「ナナ」が「七」に通じてなんとなく縁起がよさそう・・・という自己都合の思い込みで、
何か いいことのある 前兆かな〜
とちょっと嬉しくなった。
とはいえ、今回ナナフシを見た日の夕方には軽いぎっくり腰になってしまい、さらにその前の週にはハチに刺されたりやけどをしたりと、このところ災難続き。
その一方で、前月イベント出店をしたお店のスタッフの方たちと懇意にしてもらい、さらにそこから大麦粉を使ったパンを作ってもらえませんか?という話になって紹介してもらった真岡のとある会社の方ともよい繋がりができて、これから新たな展開がありそうな・・・気がしないでもない。
まあ、以前ナナフシを見た時に何かいいことがあったか?と言われると、全く記憶に残っていない。ただ、ナナフシを見た嬉しさだけは鮮明に覚えている。そのことが、幸運の証なのかもね。