風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

ベルガモット

 印刷用の紙がなくなったので近くのホームセンターKに買いに行った帰りがけ、園芸コーナーでハーブの苗はないかな〜と何気なく覗いてみたところ、ハーブの苗コーナーは時期的にもうなくなっていたようなのだけれど、草花の苗に混じってベルガモットの苗があるのを見つけた。
 葉の形を見たところで、もしやと思って札を見たら、「ベルガモット」とあったので、詳しく裏まで見たところ、赤い花の写真と共に「タイマツバナ」という別名まで書いてあり、さらに葉に触れた時に柑橘系のいい匂いもしてきた。

 20年以上前に、妹が種を蒔いてたくさんできたバジルの苗を分けてくれたところから始まった、私のハーブ歴。
 はまると集中的に深入りする性格の私は、かなりの種類のハーブを育ててみたのが、ちょうどそのころハーブブームが来たこともあってハーブ園があちこちに開園したり、園芸店でも苗が手に入りやすくなったことと、そのころ住んでいたアパートの日当たりがとてもよかったことも幸いして、育てた苗はどれもこれもすくすくと大きくなり、私のハーブ熱はさらに加速した。
 その中でも特にお気に入りのハーブの一つが、ベルガモットだった。ベルガモットにはビーバームやモナルダという別名もたくさんあって、花色も何種類かあったりするのだけれど、タイマツバナという日本語の別名にふさわしい真っ赤な花を咲かせる基本的なベルガモットは、葉をこすると柑橘系の爽やかなにおいが特別よく香るのだ。
 それから数年後、その時に育てていたたくさんのハーブの苗も連れて会津に引越したのだが、そこで住んだ町営住宅が山影となる日当たりの悪い場所だったために、ベルガモットはウドンコ病になり、他のハーブも2〜3年のうちにほとんど枯れてしまった。
 ベルガモットのあの香りが忘れられずに、ときどき苗を探してみたのだが、そのうちハーブブームが去り、たまに見かけるベルガモットは品種改良されたものばかりで、葉をこすっても香りがしないものとなっていった。

 あれから何年が経つのだろう。
 ようやく再会できた、ベルガモットの香り。
 早速、工房の入口に近いところに植えた。
 ちゃんと根づいて、花を咲かせてくれますように。