風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

酵母記念日

 先週の休業日は急に蒸し暑い日が続いたこともあって体がだるく、なかなか体調復帰できなかった。
 火曜日は曇って涼しくなったので草刈り日和だったにもかかわらず、身体がついていかず、さらに、第2弾で届いたバレンシアオレンジを10日も放置したままだったので、こちらの処理のほうが優先順位が先だったため、5kg分を一気にオレンジピールに仕立てることにのみエネルギーを使って、終わった。
 
 そんなこんなで、ブログも更新できないままの1週間。
 なんとか3日間の営業日を乗り越えた本日7月17日は、私にとっての酵母記念日。
 会津に住んでいた2007年の7月17日。町内にパン屋もなければ、近場にも自分が食べたいと思うようなパンを売っている店がないことに耐え切れず(?)、

 こうなったら 自分で作るしかない!

と思い立ち、酵母を起こし始めた日なのである。
 せっかく自分で手間暇かけて作るのだから、天然酵母!と作り方を調べているうちに、以前から興味のあった、レーズンやりんごで酵母を起こしてパンを作る、という自家製の天然酵母に行きついた。
 さらに調べてみると、レーズンやりんご以外にも生の果物で酵母を起こせることを知り、思い立ったその時が、畑を借りて植えていたブルーベリーがちょうど熟いている時期だったために、自分で育てたブルーベリーで酵母を起こしてみようと瓶に入れて発酵を待ち始めた、その日が7月17日なのだ。
 発酵したブルーベリーの酵母を元にパンの元種を作り、それを使ってパン生地をこね・・・といっても、それまでパン作りなどほとんどしたことがないのでパンのこね方も、パン作りの手順さえもよくわからないまま作ったパンは、

 たぶん 最初は
 うまく膨らまないか 固くなって
 失敗するだろう

という予想に反し、それなりにふんわりしたパンらしきものになった。
 その時の感動は、私の人生を変えるくらいに大きかった。その一連の出来事がきっかけとなり、それから10日後には、

 そうだ!
 パン屋になろう!!

と、固い決心をしていたのだから。
 あれからいったい何年になるのだろう・・・と数えてみると、なんと〜!丸9年!!
 いや〜、継続は力なり、ですねぇ。

 最初は失敗することも多かった酵母の培養も、この9年間で酵母の体調がわかるくらいにはなった。とはいえ、自然の(それも目には見えない大きさの)生き物なので、自家製酵母のパン屋は日々綱渡り。でも、何とか今まで途切れることなく自家製の酵母でパンを作り続けられた。(ひとえに酵母に感謝!)




 パン屋になるまでには紆余曲折がたくさんあったけれど、こんな暮らし方をしたいと思い描いていた生活に少しずつ近づけている実感とともに、あの頃の未来に立っている自分をちょっと誇らしく思える、10年目。