風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

彩雲

 いつもは木曜日に焼いて配達をしている益子のスターネット用のパンを、今週は2日(木)から陶器市が始まるという都合上、昨日の水曜日に焼いた。
 陶器市の時には通常の4倍くらいの量の注文をいただくため、午前2時から仕込みを始めたところ終わったのが朝の8時過ぎになってしまい、すでに最初に仕込んだ生地が発酵完了間近となっていたので10分でお風呂に入り、そこから間髪入れずに分割成形、焼成が始まった。
 成形が終わったものを次々に二次発酵させているうちに発酵が完了したものが出てきて、それを焼きながらまた新たに分割成形をして…の繰り返しを延々と続け、それが全部終わったのが、夕方4時半。
 自分で配達に行く場合には多少の時間延長もカバーできるが、今日は5時にスターネットのスタッフが取りに来てくれることになっていたので、そこまでには終わらせなければならない。ということで、トイレに数回行ったのみであとはずっと立ちっぱなし。分割成形を始める時にくるみ&レーズンパンを1個と紅茶を1杯飲んだだけで、あとは口にすることもなく焼き続けた。
 5時にスターネットのスタッフの方が取りに来てくれた時には、まだ袋詰めが一部残っていたけれど、それも納品の個数を確認している間に終わらせて、予定のものを全部納品完了。
 その後片付けと酵母のお世話もして、ようやくこの日の仕事が終わった。
 
 そんな怒涛の1日が終わってほっとした今日は休日となったので、直売所に野菜を買いに行くついでにイチョウの色づき具合を確かめるつもりで、カメラを持って出かけた。井頭公園のバラ園や花鳥館に向かう道筋に、イチョウ並木があるのだ。
 行ってみると、イチョウは予想以上に黄色く色づいていて、秋の深まりがこんなところまできていたのか・・・とあらためて思う。あっという間に今年も11月となってしまった。
 それで、イチョウ並木の下に立ち、写真教室で教えてもらった色調整をあれこれやってみながら撮りつつ、ちょっとアングルを変えて空を見上げるようにカメラを向けてみたら、

 あれ?
 虹・・・!?

晴れているのに、イチョウの枝の間に広がる青空に、虹色のアーチの一片がかかっているではないか。


(虹色を濃く出すために、画像がやや暗めになっています)


 急いでシャッターを切っているうちに、虹色ははかなくも薄らいでいく。

 ああいうの 何て言うんだっけ?
 光輪・・・?
 いや 違うな〜
 何だっけ?

とりあえず写真を撮り終えて、家に帰るべく畑の間の道を走っていると、開けた空の上にも虹の一片が・・・。


(こちらも画像が暗めです。晴れた日の夕方4時頃なので、実際はもっと明るく見えています)

 家に帰ってから思い出した。こういうのを「彩雲(さいうん)」というんじゃなかったっけ?
 調べてみると、やはり今日私が見たのは彩雲だった。うん十年生きている間で、初めて見た。

 何か いいことがありそうな・・・

そう思わずにはいられないくらいに、それは美しい光だった。
 それより何より、今日という日に彩雲を見られたこと自体が、すでに、幸運だけどね。