午前6時前。今日は仕込が早めに終わって、夜明け前に外に出た。
この時期のその時刻はまだ暗く、空には星が輝いている。
2018年1月7日未明。南東の空で木星と火星が大接近。
ということを知っていたので、南東の空を見てみた。厨房の出入り口の目の前が、ちょうど南東の空だ。
デッキの階段を下りて、空を見る。
確か、それほど高くない位置にあるはずだ。
すると、お隣さんの葉が落ちたモミジの枝の間に、きらきらと輝いている星が見えた。あたりをみても、いちばん明るいのはその星だったので、木星であることに間違いないだろう。
とすると、そのすぐ近くに火星があるはずだけれど・・・。
しかし、赤い星は見つからない。よくよく目を凝らすと、キラキラと輝く木星に重なるように、ほのかに赤い光が見えるような・・・。
今日の木星と火星の大接近は、文字通りに大接近で、ほとんど同位置にあるようだった。
木星や金星はいつも、ヒトが描く「*」のような星の光を放っている。というより、星の光ってほんとうに「*」のように見えるんだなぁと、木星や金星を見るたびに思う。
東京に住んでいた頃は、星を見ようと空を見上げることなんてなかった。
会津に住んでいた頃は、漆黒の空にあたりまえのように毎晩天の川が見えることに驚いた。
今住んでいる真岡は、町の光でそれほどたくさん星が見えるわけではないけれど、それでも結構いろいろな星が見える。
夜中に仕込みをするために、工房へ行く時に外に出る。晴れていたら、何気なく空を見上げて星を確かめる。
パン屋の仕事をしているからこそ、そんな秘かな時間が、わたしのそばにいつもある。