風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

立春

 会津から真岡に戻ったら、冬タイヤの交換はなくなるものと思っていたら、年に一度くらいは雪が降ったりして夜間に凍結することもあるので、冬タイヤが必要ではないというわけではない、ということを知らされたのだが、転居後2年くらいは、会津から引越してくるときに付け替えていたスタッドレスを履きつぶすつもりでつけたままにしていたので、それで問題なく冬を過ごしてきた。
 そのスタッドレスタイヤをノーマルに付け替えて以降の最初の冬、タイヤ交換が本当に必要なのか?と一応悩んだ。パン屋を始めてからはほとんど遠出をする機会がないとはいえ、唯一気がかりなのが、木曜日のスターネットまでの配達。益子の気温が真岡よりも低いこともあり、凍結の心配がある。が、タイヤ代やらなんやらもかかることなので、悩んだ末にノーマルタイヤのまま冬を乗り越える!という方針(?)を貫くことにした。

 だいたい、4年前のパン屋開店当日に大雪が降る、という事態に見舞われること自体が稀有な出来事のようにも思うのだが、これまでのところ、去年の冬に木曜日に雪が降った日があったものの、みぞれ交じりの雪だったのでノーマルタイヤで無事に益子まで配達ができた、というくらいで何とか事なきを得てきた。
 が、今年は寒さの厳しい日が12月頃からずっと続いている。

 大丈夫かな・・・

と心配しつつも、前回(1月29日)の大雪は月曜日で、翌日から2〜3日でほとんど雪が解けたので、木曜日の配達には影響なし。さらに追い打ちをかけるような2月1日にまた雪が降る、という予報に、

 2月1日って 木曜日!?
 降らないでくれ〜

と願っていたところ、昼間のうちは曇りで推移して、無事だった。
 で、木曜日の夜に深夜の仕込みのために目覚ましをセットして仮眠したはずなのにしっかりスイッチを止めたまま寝過ごして、3時近くに

 はっ!

と目が覚め、あわてて工房へと外に出たら、

 あれ?
 なんか 白い・・・
 雪…降ってる??

寝ぼけた頭であたりを見つつ、とにかく1秒でも早く仕込を始めなければならないので工房へ入る。仕込の間は集中しているのだけれど、時々襲ってくる睡魔とも戦っているので、雪のことなど忘れていた。
 そして、仕込を終えた7時近くに外に出ようして、思い出した。

 そういえば 雪
 積もっているのかな?

外の様子を想像しつつ扉を押したところ、

 ずずずずっ

という雪の抵抗を受け止めながら、ドアが開いた。

 わっ!積もってるよ!

デッキの上には、5cm位の雪。薄暗い中であたりを見ると、一面雪景色になっている。
 会津の豪雪地帯に13年半住んでいたので、ちょっとやそっとの雪では驚かないが、真岡でこれだけの雪景色になると、やはり驚きを隠せない。
 
 おお〜!

さらに、お風呂に入ってから10分だけ寝て工房へ戻ろうと外を確認したら、すごい速度で雪が増えて、10cmくらい積もっていそうだ。

 うわっ!
 これは 雪かきしておかなきゃだよな〜
 お客さまが通る通路と、表の道路もやらないと・・・

10分の睡眠のあと、フードつきのジャケットを着て、外に出る。スコップを手にして、完全に雪かき体制である。
 庭の雪をかいて通路を作り、表の道路も・・・と思ってみてみたら、アスファルトの上はかなり溶けているようだった。が、前回圧雪になってなかなか溶けなかったあたりがまた圧雪になっていたので、しばし公道の雪かきもしてから、パンの作業に戻る。
 開店時刻過ぎまで、分割成形、焼成と時間のすきまなく作業が続くため、外の様子はまったくわからない。そうして、お昼近くにようやく外に出てみたら、

 あれ?
 雪が ない。。。

まるで、キツネにつままれたように雪がなくなっているではないか!あんなに真っ白な雪景色だったのに・・・。あんなに真面目に雪かきしたのに・・・。
 気温や地温が上がっているのか、すっかり庭の地面があらわになって、雪?降りました?ってな顔をしている(!?)
 雪もほとんど止んで、ぱらぱらと細かいみぞれのような雨が降っていて、

 それでもそんなに早く溶けるか?
 そう言えば、明日は節分だ!

と思い出した。
 
 ということは、明後日は立春・・・。

 ということで、前置きが長くなりましたが(長すぎてもはや、前置きではないが)、そんなわけで、今日は立春
 ところどころに雪が残ってはいるものの、もう凍結の心配はなさそうだ。
 ガーデンシクラメンにも、たくさんの蕾が出てきている。



 あの雪は 本当に降ったのだろうか?
 もしや 幻想か
 あるいは 寝ぼけていた私の勘違いなのでは・・・?

あの、2月1日深夜から2月2日にかけての雪景色は、現実だったのだろうか?あまりにも目まぐるしい景色の展開だったので(かつ、時間と日にちの切れ目と睡眠時間のないパン屋営業日の出来事だったので)、自分の記憶に自信が持てないでいる。