4ヶ月ぶりに、井頭公園に行った。
3月に追突事故に遭って16年乗り続けた愛車が廃車となってしまって以来、車のない生活をしていたのだが、このたびようやく車を買うことに決め、納車までの間代車を貸してもらえることになって、遠出ができるようになったのである。
それで、久しぶりに直売所に行った。
そしてついでに、バラ園に寄ってみた。冬薔薇がまだ残っているのでは・・・と思い出したのだ。
平日の午後、バラ園には人もほとんどなく、静かだった。
薔薇は、台風の影響もあってか、花が散ってしまったようになくなっていた。
それでも、かろうじてまだ咲いている花もあって、ほのかにいい香りもしている。
薔薇の花に目をやりながら園内を歩きつつ、静かな公園で、ふと、今どんな音が聞こえているのだろう?と耳を澄ませた。
視覚に意識を向けていて、頭の中に音が入ってきていないということに気づいたのだ。
そうして音の方に神経を集中させたら、
オーシーツクツク
オーシーツクツク・・・
なんと木の高いところでツクツクボウシが鳴いているではないか!
今年は、10月になっても暖かい。10月のはじめに、うちの庭でミンミンゼミが鳴いているのを聞いてびっくりしたのだが、井頭公園でも蝉が思わず地上に出てきてしまったみたいだ。それにしても、もうすぐ11月ですよ!
気温に惑わされ、羽化して成虫になっても、この時期ではもう交尾する相手もいないだろう。
それはつまり、子孫を残す繁殖をするために成虫となったはずなのに、命を無駄にしてしまうということだ。
ヒトが加速している地球温暖化。
じわじわと病巣が転移するように、地球の生命そのものを危機に向かわせているような気がしてならない。
余談だが、数ヶ月前に市役所から人口減少に関するアンケートが来た。
子供を安心して育てるには何が必要だと思うか、などの設問に、いくつかの選択肢があって選ぶ形式のものだったのだけれど、ぶっちゃけ私には人口減少がなぜ問題なのかがわからない。
一方では、アフリカで今後爆発的に人口が増えて食糧難がいっそう深刻になるという予測もされている。
その傍らで、アマゾンや東南アジアなどの熱帯雨林で違法の伐採や焼き畑が繰り返されて、人間が温室効果ガスの発生を促している。
公園の雑木林に射し込む木漏れ陽に癒やされながら、10月のセミの声を聞いて、地球滅亡の日を憂いてしまうのだった。