風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

2020年夏の接近遭遇

 子供の頃に昆虫図鑑で見て、その美しい浅黄色の模様に、

 この蝶の本物を見てみたいなぁ

と憧れた、アオスジアゲハ。
 その頃に時々、庭に飛んでくるのを一瞬見かけることがあり、動体視力を駆使して見つめるのだけれど、いつも飛んでいるところに遭遇するだけで、あっという間に通りすぎてしまうのだった。
 実家を離れてからは、目にする機会をなくしていたのだけれど、9年前に実家に戻ってきた数年後の夏に、ふいにアオスジアゲハが飛んでいるのを窓の外に見つけ(自分の動体視力にびっくり!?)、今でもこの庭に来ることがあるんだと、嬉しくなった。
 それ以降、1~2年に1度くらい、見かけている気がするのだけれど、いつもひらりと去って行くばかりで、どこかに止まっているのをじっと観察するという幸運に恵まれることは一度もなかった。


 が!
 今朝、仕込みの後に15分仮眠して起きるつもりが1時間超過して寝てしまい、あわてて工房へ向かう途中でアオスジアゲハに出会った。
 それも、草むらの中に止まって、羽を広げているではないか!さらに、私がそばを歩いても逃げもしないでそこにいる。
 思わずパンのことはそっちのけで、カメラを取りに自宅に戻り、再び草むらを探してみると、アオスジアゲハは同じ所でじっとしていた。それも、蝶には珍しく、羽を広げて止まっていたので、模様が表からはっきりと見ることができた。


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 カメラを向けてシャッターを切る間も、逃げるどころか、広げた羽をゆっくりと閉じて、まるでモデルにでもなったかのようにポーズを変えている。


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 羽を閉じたら朝日に羽が透けて、私の目に浅黄色がより美しく映った。


 こんな幸運があるんだ・・・。


 アオスジアゲハは草むらの中に埋もれるようにいたので、虫に興味のない人は、気がつかなかったかもしれない。
 でも、私にとっては忘れられない出来事となった。
 憧れの蝶と接近遭遇した、2020年夏の朝。