カランカランカラン・・・
とドアベルの音がしたので、カウンターからショップの方を覗くと、ドアを開けたところにすらっと背の高い女の人が立っていた。
こんにちは
こんにちは
とあいさつして入ってきたその人は、営業の仕事をしているようにも見えた。何週間か前に、仕事の途中に寄ってくれた、やはり背が高くて制服を着た女性の方が来てくれたことがあったので、その人だったかな?いや、でも違うよな…と気になったので、パンを選んでいる間の沈黙を埋めるように、
前に 来てくれたこと
ありましたか?
と声をかけてみたら、
いえ
今日 初めてです・・・
この近くですか?
いえ・・・宇都宮なんですけど
仕事でこの辺を回っているので・・・
パンが好きなので
検索したら ここを見つけて
来ました
ああ
ありがとうございます!
そうしてパンを選んでいるうちにも、
ブログも 読みました
ブログを読んで
なんだか 気持ちが明るくなったので
ここに来てみようと・・・
あら そうですか
ありがとうございます
じゃあ これで
お願いします
選んだパンを受け取って、袋に詰めている間も、話が続く。
聞いてみると、今まで事務や営業の仕事をしてきたけれど、なんだかこのままじゃつまらないなぁ・・・と思っていた時にこのブログを読んで、好きなことをすればいいんだ!と思ったら気持ちが前向きになって明るくなったらしいのだ。そんな、人を前向きにするようなことをブログに書いただろうか?と、書いている本人(ワタシです)ははなはだ疑問なのだが、自分にも似たような時期があったので、気持ちは想像できなくもない。
私自身はそれで東京で勤めていた会社を辞め、結果、会津に引越すことになったが、会津で13年半過ごす間に自分で何かをやりたい!とブルーベリーを植え、自分が食べたいようなパンを近くで売っていないからとパンを作り始めることになり、ビギナーズラックでそれらしいパンが出来たことに感動して、この感動を誰かに伝えたい!と電光石火でパン屋になる!と決意した。
自分がやりたいと思えることを見つけるには
子供の頃に好きだったこと に
ヒントがあったりするみたいですよ
などなど、なんとなく話がはずんでいった。
袋に詰めたパンを渡すと、彼女は、
すみません
(ここに来たのは)初めてなのに
こんなこと 話してしまって・・・
いえ・・・
もともと
パンを売るだけのパン屋じゃないことをしたい
と思っていたので
こういうの とても嬉しいです
今度 どうやってお店を作ればいいか
知りたくなったら
また 来ます
・・・あ
また パンを買いに
来ます
はい
いつでも おいでください
カランカランカラン・・・と、ドアを閉めて、彼女は店を出た。
まるで ×××Holicだ!
そういえば、ゴールデンウィークの始まりの時に初めて来た男子高校生は、なんとなく四月一日(わたぬき)君に似ていたっけ。私の頭の中で、「19才」が流れている。
この世に 偶然なんてない
あるのは 必然だけ・・・
あなたの願い 叶えましょ
注:『×××Holic』は、アニメにもなったコミック。
私はコミックは読まないのだが、アニメの主題歌をスガシカオが担当したことがきっかけでこのコミックを読み、はまった。
興味のある人は、とりあえず、コミック『×××Holic』の8巻まで読んでみてくださいませ。8巻の蜘蛛女の出てくる章がお勧めです。
さらに注:このブログの店主(ワタシです)は、スガシカオの大ファンです(笑)
蛇足:さらに、『×××Holic』のミセの主人である女性の名前とワタクシ、なんと!同じ名前です(どうでもいい、そんなこと)