パンの底が破裂してチーズが出てしまったりした時、作る人としては、
あ〜
失敗した!
破けたー!!
と思ったりするのだが、食べる人から見ると、そんなところが
おいしそう!
当たった〜!!
と思うものである。
↑
この写真のはみ出したところはなんだかケチくさいが、もっとぼわ〜んとはみ出したプチカンパーニュが出来てしまった時に、お客さまとそんな話になった。
現在「作る人」である私からすると、“きれいに作りたい”という意識が先行してしまうのだけれど、視点を変えて自分が食べる人になって見てみると、確かにはみ出して焦げたチーズなど、おいしそう〜!と思ったりするな・・・と、その時にお客さまから教えてもらった。
時々、自分の立場や思い込みで、こうでなければならない、という枠を心の中に作ってしまうことがある。でも、ちょっと視点を変えたら、別にそんなことどうでもいいんじゃない?ということだったりすることもあるんだよね。
もちろん、ここは抑えるべきツボというのもあって、大切なことだけれど、厳格であることばかりを重視すると、そのことが自分や他人を縛り付けて苦しめてしまう。
何を大切にするか。それは、自分が自分らしくあるための軸でもある。でも、それは、みんなが同じというわけではない。
みんな 違って
みんな いい
自分と違う人の性格や考え方、生き方、やり方・・・そういうのを認めたり許したり面白がったり、あるいはそれに頼ったり。そういうのがいい。
はみ出したパンのチーズを見て、そんなことを思ったある日の出来事であった。
パン屋人生、なかなか奥が深いのである。