今日、最初のお客さまは初めてお会いする方だったので、
このお近くですか?
と聞いてみたら、
職場が すぐそこで・・・
とおっしゃったのだけれど、職場??この近くに会社などないと思ったけれど、どこだろう?と思いつつ、あまり詳しく聞くのも何だと思ってそれ以上は聞かずに流して話をしていたところ、
知り合いに
この近くにパン屋さんができたから 行ってみて
と言われて・・・
と、3人分くらいのパンを買っていただいた。
それからしばらくしたあと、今度は
さっき 誰か来たでしょう?
と、謎の質問をする、胸に「栃」のマーク(栃木県の県のマーク)の入った作業着を着た方が・・・。
よくよく聞いてみたら、先程来たお客さまは、すぐそこの高校の先生だったらしい。その先生に、どこへ行ってきたんですか?と聞いたら、パン屋に行ってきた、というので、その作業着の方もパンを買いに来たらしいのだ。
そう言われれば、学校も「職場」なのだなぁと、認識を新たにしつつ、では作業着のお客さまは?と思って何気なく聞いてみたら、用務の仕事をされているそうで、
今 けやきの木がすごいでしょう
黒いごみ袋に 10個にはなる・・・
と続けて言われた。
その謎の答えの意味を、今度は私はすぐに理解した。
工房のあるこの家の北側には、一列の住宅地と細い道をはさんだすぐ向こう側に県立の男子高校がある。そして、学校の南側に当たる校庭の縁には、大きなけやきが何本も植えてあって、この時期になるとその枯れ葉が風と共に舞い落ち、校庭だけではなく、道にも、校庭近くの家や家の屋根や畑にも山のように積もるのだ。その落ち葉をひたすら片付けることが、この時期の用務員さんの毎日の日課なのだろう。
まあ 苦情が来ても
木を切ることはないでしょうけどね
この辺の人は
仕方ないと 諦めているんだろうけど
さらに、こんなことも教えてくれた。
あのけやきには
名前がついているんですよ
女子高の方を向いている木は 「あこがれ」
枝の張った大きな木があるんだけれど
それには 「つどい」という名前がついているんです
へぇ〜
すてきですね!
知らなかったのだが、男子校のけやきの木は、卒業生で有名な建築家となった方が60年くらい前に植えたものなのだそうだ。
さらに、教えてくれた名前の付け方がとてもすてきだったので、誰がつけたんでしょうね?と尋ねてみたところ、ある年の同窓会の方たちが、木に名前を付けようということで考えたらしい。その説明板も立ててあるとのことだった。
考えてみれば、男子校の校庭に入ったのは、小学生の時にラジオ体操に父と一緒に行った時くらいではなかったろうか?小学生の頃には、時々遊びに入ってみたこともあったけれど、大きくなったらさすがに関係者以外が入ることははばかられた。
あれからすでにうん十年!妙齢をとっくの昔に過ぎ(笑)、いい年になった私は、厚かましいおばさんのごとくちょっとけやきを見に校庭におじゃましても、誰も気に留めはしないだろう。(不審人物に思われない限り…)
名前の付けられたけやきの木、ちょっと気になる。今度見に行ってみようかな。