午後の来客が途絶えた時間に工房で片づけをしていたら、外で
ぎゃぁあぁぁ〜!
という、猫の威嚇する声が。
うちのまわりにはタチの悪いノラ猫(というか、近所で無責任な飼い方をされている半飼い猫?)がいて、時々我が家の猫をしつこくいじめに来るので、またやられている!と、あわてて外に飛び出した。そして、声が聞こえた母屋のあたりに行ってみて、予想外の光景を目にした。
なんと!今まで無抵抗でいじめられていた我が家のあめが、いつものヤクザ猫に臆することなく立ち向かい、声を上げながら猫パンチをくらわせているではないか!
おお〜!
あめ すごい!!
思わず目を見張りながら加勢をすべく駆けつけると、ヤクザ猫はさぁ〜っと逃げていった。今までは、私が近づいても逃げようともしない凶暴な猫だったのに。
とりあえずあめを家の中に入れて、倒れたデッキブラシを直していると、お客さまがやってきた。それで工房に戻ると、赤ちゃんを連れた娘さんとお母さんの2人連れで、ネットの検索でこのパン屋を見つけ、近所だったので来てくれたとのこと。そして、もう一人の娘さんも今日実家に来ることになっているらしく、2件分のパンを選んだところで娘さんの方が
外に 出ている
と言って、赤ちゃんとともに外へ。
お母さまの方が支払いを済ませながら外に目をやると、どうもふわりが庭にいるのを見かけて、猫好きな娘さんが外に出たようなのだ。ガラス戸越しにお母さんと見ていたら、なんとふわり、赤ちゃん連れの娘さんにさっそく近づき、親愛の情丸出しで、撫でてもらいに行っている。撫でてもらったと思ったら、こんどは娘さんの足の間をくぐってみせてはまたすりすりと近づき、撫でてもらうそばからごろんと仰向けになって最大限に愛想をふりまいている。
こうなるともう、だれでもメロメロになるのを知っているかのごとく、ふわりは甘えるのがうまい。毛足が長くてふわふわで、人に対する警戒心もゼロなので、招き猫としての存在感は抜群である。
やるなぁ ふわり・・・
それにしても、今までやられっぱなしだったあめが、勇敢にもやくざ猫に立ち向かえるようになったとは、驚きだ。そう言えば最近、ほたるを相手に、ケンカの練習をしていたのを思い出した。(練習台にされたほたるは、わーわー言いながら嫌がっていたけどね)その前は、ふわりにケンカの仕方を習っていたようだったが、まさかこんなに早く実践するとは想像もしなかった。(ちなみにふわりは、最初に斜に構えてガンをつけるところから教えていた(笑)
猫の世界にも、ケンカのコツみたいのがあるのだろうか?最近あめは、ほたるを相手に首をねじ伏せて喉にかみつくようなこともしていたので、かなり高度なテクニックをマスターしていたのだろう。
ふわりもあめもほたるも、体がまだ小さな頃は、ヤクザ猫に追いかけられるとすぐに追いつかれていじわるされていたのが、そのうち逃げ切れるくらいに走れるようになり、最近は、ヤクザ猫をみると縁側に置いてある物の陰に隠れてうーうー唸っているのが常だった。それが、今日は隠れることなく戦いに挑んだあめの雄姿を目撃して、飼い主の私は感無量になった。(それだけ怒りが充満していたのだろう、きっと)
猫だって、戦いに挑む最初の一歩は、勇気がいるよね。
すごいぞ あめ!
ふわりも あめも
グッジョブ!