先週の木曜日の夜頃から、急に朝晩の冷え込みが真冬のように厳しくなった。
日本を覆った寒気の影響なのだろうけれど、金曜日の朝には傘立てに貯っていた水に薄氷が張り、日に日に霜柱が長くなって、昨日の朝は地面を踏みしめるとざくっざくっと音がした。
秋になって太陽の高度が低くなって日当たりが悪くなった物干し台を少し南に移動したものの、それでも午前中は日が当たらないままだったのが、なんだか最近あの辺が明るくなったような…?と思ってよくよく観察したら、先週の前半にはまだ紅葉が美しかったお隣のカエデの木が一気に葉を落として、日が射すようになっていたのだった。
庭を覆っていた枯れかけていたイネ科の雑草も寒さで急に朽ちて、地面がモノクロームに近くなってきている。それでもなお緑を保って、蕾さえつけている草もある。
春によく見るノゲシが、秋になってまた伸びてきて、蕾をつけていた。先週の初めごろから蕾を少しずつ開かせていて、金曜日の朝も、蕾を開かせようと光を浴びていた。
けれど、霜柱が立ち始めた土曜日の朝になったら、茎の内部が凍結してしまったのだろう。もう、立ち上がっていることができなくなり、首をうなだれていた。日曜日、そして今朝と、朝になるたびに気になって見ているのだが、寒さが続いているのに、それでもうなだれたまま蕾の黄色を保ち、わずかな時間の光を浴びて必死で花を咲かせようとしている。
誰に支えられるわけでもなく生きようする、小さな一つの命。自分はこんなふうに、純粋に生きたいと願えているだろうか?ノゲシのその強さと美しさに、ただだた圧倒されるのだった。