風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

天空の羽

 薄曇りだった昨日、庭中に金木犀の甘い香りが立ち込め、まるで天使が飛んでいるようだった・・・




 といきなり言われても、??となるだろうが、あの甘い香りが私の住む世界を包み込み、まるで天国にいるような気分になった、ということである。
 そんな日の夕方、工房に酵母の世話をしに行く途中で、ぶどうの葉の上に蝶の羽が一枚落ちているのを見つけた。




 天国の庭で、ぶどうの葉に一枚の蝶の羽・・・
 美しい筋と、清楚な薄青。まるで、妖精の羽のよう。




 何という蝶の羽だろうと調べてみたが、最初、アゲハチョウだと思い込んで調べたところ、どうも違っていたようで、マダラチョウの仲間のようなのだが、いちばん近そうなのが「アサギマダラ」。でも、検索で見た画像では、こんなに細かいすき間ではなく、筋の間はもっと広いようなので、果たして本当に「アサギマダラ」の羽なのかどうかはいま一つ確証に欠ける。浅黄色であることは、確かなのだが・・・。
 昨日の夕方の空模様が、雨の降り出しそうな気配がしていたので、羽が濡れないように葉っぱの上からそっとつかみ上げて家の中に置いた。
 夜の間に雨が降り出し、それから今朝になって、雨の中を他の羽が落ちていないか探してみたら、土の上でもう1枚の羽を発見。





 
 「アサギマダラ」について読んでいたら、なんと渡りをする蝶で、福島から沖縄まで2000kmもの距離を飛んだ観察記録もあるそうだ。
 見つけたのは上側の羽だけだったので、下側の羽はないかと探してみたが、見つからなかった。下の羽があればもっと、なんという種類の蝶なのか、調べやすいのだけれど。
 南へ渡る途中で、力尽きて落ちてしまったのか?地面に落ちていた羽は蟻にやられたのか、それとも飛んでいるうちに傷めたのか、雨に濡れて痛々しい。




 ススキの根元には、ナンバンギセルが咲き出した。
 寄生植物であるナンバンギセルは、別名「想い草」
 葉緑素がないために、他の植物から栄養をもらって生きている。なので、宿主が枯れてしまったら、生きていくことができなくなる。

 天使と妖精と想い草と。
 蝶の羽は、私に何を届けに来てくれたのだろう・・・。