風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

誕生日

 雪、降りましたね〜。
 今日も空気が冷たいのなんのって。
 そういえば母が、私が生まれた年には配達された牛乳が凍った、って言ってたな・・・なんていうことを思い出した。

 このところブログの更新が少ないな〜とお気づきの皆様、精神的に何か落ち込んでいるという訳ではなく、身体的お疲れモードがなかなか抜けず、先週も仕込の途中途中で一瞬寝てしまうという4日間で、思考能力が低下しているのです。
 眠くて仕方がないために仕込開始時刻がぎりぎりになり、布団に寝る時間が1時間もしくはゼロという事態になる悪循環に陥ってしまってそうなっているということは分かっているのだけれど、なかなかそこから抜け出せない。
 というわけで、今週の休業日の間に誕生日があることもあり、この日は何もしない日!と前々から決めていたところ、雪は降るわ寒いわ疲れはなかなか抜けないわで、3日間、朝寝坊したいだけ寝て過ごしたところ、かなり回復いたしました。(よっしゃ
 だらけて過ごす間にも、あれやらなきゃな〜とか気になることが多くて、それもよくないんだよな。ま、何よりも大切な酵母のお世話だけは怠けることはできないので、致し方あるまい。

 そんな中。誕生日の翌日に、スガシカオのアルバムが遂に発売になった。ぱちぱちぱち!
 事務所を離れて独立した時に、「50歳になるまでに自分の集大成になるようなアルバムを作る」という宣言を見事に実現したそれは、まさにこれを待っていました!というものだった。
 きれいごとではない、スガさんにしか作れない音楽。歌詞の一つ一つの言葉が心に突き刺さった。

 先日ブログに、今まで幸せという人たちがなぜそんな簡単に幸せだと言えるのかがわからなかったけれど、今は自分が幸せだと思える、と書いたけれど、実は子供のころから私はずっと、長生きなんてしたくない。早く死にたい。と思いながら生きてきた。
 だから母が亡くなった時、父と母を無事に見送るという自分のこの世での大切な役割を終えたことで、もういつ死んでもいいという免罪符を受け取ったような気がした。それで、母亡きあとに、自分は何歳まで生きるのだろうとぼんやり考えていた時に、73歳・・・と思い浮かんだのをきかっけに、「73歳で死ぬ予定」にしている。
 以来、誕生日が来るたびに余命をカウントダウンしているのだが、ただ最近…去年あたりから、もうちょっと長生きしてくださいよ、とでも言ってくれているような繋がりを持ってくれる人たちが何人か現れて、電話やメールをもらったり、直接話す機会を持ったりしている。
 実際、パン屋を始めてから、早く死にたいと思うことが少なくなった。
 なぜそう思うのかという理由は、子供の頃と大人になってからでは微妙に違っているけれど、たぶん根幹では同じことなのだと思う。ま、あえてここでは書かないが。
 ・・・って、何だか暗い話になってしまったが、普通は公の場では書かないであろうそんなことがスガさんの今回のアルバムではたくさん書かれてあって、心に突き刺さったのだ。

 生きたいと思わせてくれるものは何なのか。
 誰も、死にたいと思いながら生きたくなんてない。
 
 夜中にこねたパン生地をフードコンテナに入れて発酵させて、それを朝に分割成形してパンにする。
 そのパンを、買いに来てくれる人がいる。
 今の自分にとってはそのことが、生きていく理由。