風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

水辺の桜

 小雨の木曜日。
 スターネットにパンの納品に行く。
 といってもこの日スターネットは定休日のため、箱に入れて受け渡しをしているので、スタッフの方に会うこともなく静かに納品が終わる。

 今年、真岡の桜はあっという間に開花したと思ったら散り際も早々に来たようで、パン屋の営業日の日にほとんど満開になってしまったらしく、休日の日にはすでに散ってしまってお花見の時期を完全に逃してしまった。
 益子は真岡より気温が少し低くなるのだろう。納品の行き帰りに見ていると、桜の時期も少し遅れていた。
 おかげで今日は、スターネットの向かい側にある須田ヶ池の桜が満開になっていた。正確に言うと、満開が過ぎて散り始めたところ、だった。
 小雨の天気のせいで、納品に行った5時過ぎには薄暗くなっていたものの、誰もいない池のほとりに佇んで、大きな桜の木を見上げた。
 見上げると、視界の中は満開の桜の花でいっぱいになった。
 毎年、毎春、桜を見ているのに、いつ見てもきれいだな〜と感動する。日本人にとっての桜は、本当に不思議な花だ。
 水辺に立って桜の花に包まれ、深呼吸をすると、体と心が浄化されるようだった。

 須田ヶ池には、水鳥がのんびり泳いでいて、時々魚の飛び跳ねる音がする。
 まるで、おとぎ話か昔話の世界の池のようにも見える。
 そういえば以前、父が、「子供の頃、冬になるとこの池にスケートをしにきた」と言っていたような・・・。