昨日の夕方、「本日はおしまい」の看板を出すつもりで勝手口から外に出たところで、足元にネジバナが咲いているのを見つけた。
毎年そのあたりに何株か咲くのだが、いつも突然咲くので(株自体が小さいことと、この時期は雑草に目が行って、草刈しないとな〜という頭でしか景色を見ていないからか、蕾や茎が伸びてきたのに気づいたことがない)、
あれ!?
ネジバナが咲いた!!
と、毎年びっくりするのである。
と思ったら、今日は洗濯物を干す時に、工房の南側の庭先にも一株咲いているのを発見!
その場所で見たのは初めてなのだけれど、そういえば草むしりをしている時に、この葉っぱは何の草だろう?と気になったのを思い出した。それをどの場所で見たかは覚えていないのだが、葉っぱの形は頭の中にインプットされていたので(ということを、思い出したので)、もう忘れないぞ!
それにしても、乱れることなく美しい螺旋を描いて天を目指して咲く、この桃色の小花。
基本的には丈夫な雑草で群生していることもあるのだけれど、植え替えてしまうとうまく育たないのだとか。共生する土中の菌根菌がいるために、その関係性を乱されると枯れてしまうらしい。
頑強さと儚さ(はかなさ)のはざ間で生きているネジバナの別名は、「もぢずり」
「もぢずり」というと、つい、
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに
という古今集の一句を思い出す。
心の窓を開いていれば、足元にも、深遠な宇宙が広がっている。