風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

アオスジアゲハ

 2〜3週間前に、工房から母屋に戻る途中で、アオスジアゲハの遺体(?)が落ちているのを見つけた。
 アリが胴体を食べたあとらしく、前日の雨やなにかで、羽もだいぶ朽ちてきてはいたが、アオスジアゲハ独特のあの浅黄色は鮮やかに残っていた。
 実は子供のころから昆虫図鑑を見るのが好きで、アオスジアゲハは私にとって憧れの蝶だった。
 浅黄色のグラデーションの色合いと、少し細身の羽の形と、四角い模様の並び方と、そのどれもが私の好みに合っていた。
 アオスジアゲハ自体は、それほど珍しいわけではなく、時々見かけることもあったのだけれど、花や木に止まっているのをじっくりと見る機会はなく、飛んでいるところを目で追いかけるのが精いっぱいで、美しい羽の色や模様を見たいと思っても、図鑑で見ることしかできなかった。

 その羽が、この手の中にある!ということが、私にとってはちょっとした興奮なのだ(笑)



 なんて美しい色なんだろう。
 黒も闇夜の漆黒ではなく、何色かが混ざった色だからこそ、黒に飲み込まれることなくこの薄緑色が引き立っている。

 そんなことを思いながら今日も工房に酵母のお世話に行ったあと、外に出たら、ひらりとすれ違った蝶が、アオスジアゲハだった!

 あっ!

という間に、アオスジアゲハは飛び去ってしまったが、こういうときだけ私の動体視力は、老眼を押しのけて冴えわたるのだった…。