風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

梅ほころぶ

 先週の火曜日なので、ちょうど1週間前になるが、梅の植え替えをした。
 苗を植え付けてから5年目になる梅の木がようやく大きくなってきたはいいが、あんずの木と近すぎたところに植えてあったために、去年のうちから場所を変えなければなぁと思っていたのだ。
 あとから植えたのはあんずのほうなのだけれど、あんずの樹勢があまりにも強くて植えてすぐの1年目からみるみるうちに大きくなり、3年目が過ぎたばかりだというのに大木の様相となっていて、もはや植え替えることは人力では不可能!と見ただけでわかる。
 しかし、梅の方は何とか自分一人でも動かせそうだ。それも、今年のうちにやっておかないと、来年にはもう無理になる。
 本当は去年やっておきたかったのだが、植え替え時を調べようと思っているうちにそのままとなり、今になってしまった。そして、心持ち暖かくなって、霜柱も立たなくなってきた2月中旬に思いだして植え替え時期を調べてみたところ、葉が出る前の2月後半から3月前半がよい、ということがわかった。
 蕾がついているこんな時期にやったらかわいそう、今やったら花が落ちてしまうのでは?実を収穫した後にやるのだろか?一体いつやればいいんだろう?と疑問に思って調べたのだが、梅の木自体の生命力が強いので蕾がついていても大丈夫!・・・らしい。
 そう言えば、「桜切るバカ 梅切らぬバカ」という言葉を聞いたことがある。今回あらめて知ったところによると、樹勢が強い梅は思い切って剪定して新しい枝を頻繁に出してあげないと、逆に弱ってしまうということのようだ。

 おお〜
 まさに 今が 植え替え時!

ということがわかったところで、先週決行した。
 とりあえず、植え替える先にあらかじめ、適当な大きさの穴を掘っておく。その後、梅の木を掘り起こす。が、そばに寄ってみると、これが見上げるくらいまで枝が伸びていて、思っていた以上に株が大きい。

 こんなに 大きくなっていたんだ・・・

 とにかく、今やらなければもうできない!という一心で地面にスコップをたててみると、笹が生い茂って土が締まり、スコップの先が入らない。

 むむ・・・
 固すぎる・・・

どうやってもスコップでは地面にはね返されて無理だったので、鍬に持ちかえ、がしがしと株のまわりの地面を丸く掘りとって、ある程度の深さまで掘れたらそこから根の下に回しこむように鍬を入れる作戦に出た。
 とにかく始めたからには今日中に掘り起こして植え替えないことには、まだ朝晩の冷え込みもあるので、枯らしてしまうことになりかねない。移動させるのは、たかだか2m位ずらすだけなのに、結局、鍬1本+私の人力1時間半をかけて、ようやく5年目の梅の株1本を掘り起こした。

 抜けた〜〜〜!
 やった〜!

その頃には軽く汗をかき、やや筋肉痛にもなっていた。でも、ここまでできれば、あともう少し!


 動かせるようになった梅の木を、掘っておいた穴の深さに根元が納まるかと起こして持ち上げようとしたら、これがことのほか重い。寄りかかられると、人間一人分くらいの重さがある。

 おっとっとっと・・・
 重い・・・

一瞬よろけつつ、株を引きずるようにして穴にはめてみると、あと少しだけ深くすれば入りそうだ。
 穴をもう少し掘って、そこに水をバケツ2杯汲み入れて、貯まった水の中に根元をつけて、土を戻して軽く踏み固めて、上からも水をたっぷりかける。

 よし!
 できた〜!

無事に梅の植え替えができた。
 念のため、支柱代わりに竹の棒を立てて、括り付けた。
 
 蕾が落ちたりしないかな・・・

気になりつつ、1週間様子を見ていたら、弱ることなく、ちゃんと花が開いた!



 ということで、今日は残り1本の梅の植え替えをした。
 そうなんです。梅は違う種類の木が2本ないと結実しにくいので2本植えた方がよい。ということになっているので、苗は2本植えていたのだ。もう1本はあんずの近くではなかったのだけれど、やや日当たりが悪くて成長が思わしくなかったので、できることなら2〜3m動かしたい。
 先週の実績があるので、それにもう一本の方は前回のものよりも幾分小さめだったので楽勝だろうと思いきや、意外にも太い根が3本くらい張っていて、先週と同じように手こずった。で、鍬1本+私の人力で、またもや1時間半かかった(で、またもや軽く筋肉痛)
 実は我が家(今私が住んでいる実家の庭)には、以前から梅の木があった。40年くらい前に2本植えたものがあったのだけれど、それがいつしか枯れてしまい、その後新たに苗を植えて、母が「庭になった梅で梅干しを作った」と言っていたことがあって、そのことが何かとても素敵なことに思えた。それで自分でも、「自宅の梅で梅干しを作る」をやってみたいと、秘かにあこがれていたのだ。
 が、その梅も、私が実家に戻った6年ほど前には蟻か何かにやられて弱っていて、間もなく枯れてしまったのだった。
 なのでこの梅は、その後に、私自身の手で苗を植えた梅、ということになる。
 今年は花数が増えたので、あと2〜3年のうちには梅の実がそれなりに収穫できるだろうか。
 春の訪れを告げる梅の花。ほんの数輪が咲いただけなのに、早春の香りが漂っている。