実家の庭には
ノイバラが自生していて
所々に 芽を出すのだけれど
伸ばしてしまうと大きくなり
棘もあるので ちょっとやっかいなこともあって
いつも草刈りの時に取ってしまっていたのだが
ちょうど 庭の隅に生えて
ここなら邪魔にはならないだろう
という場所で
切り取らずに伸ばしてみたら
ものすごい早さで大きくなった
主軸はがっしりと逞しく
大きな棘をつけて
出てくる枝も それぞれに棘をつけて
まるで 身を守るように
草刈りの時に 抵抗するのだ
それが 春になると
少しずつ つぼみの数を増やし
今では
たくさんの花を咲かせるようになった
ほんのりと漂う薔薇の甘い香りと
小さくて清楚な白い花
梅雨が始まる前の
ちょっとゆううつな季節を
野に咲く薔薇が 一時
忘れさせてくれる