雨の中で
フェンスの上に
仲良くとまるキジバトに気がついた
鳴くこともなく
顔を見合わせるでもなく
ただ ここに 二人でいる
ということだけで満たされている
そんな雰囲気を漂わせながら
微妙な距離を縮めるでもなく
かなりの間 そこにとまって
じっとしていた
ときに あたりを見回したり
右側のキジバトが毛繕いを始めたり
したのだけれど
距離は変わらず
鳴くこともしない
この二羽は
恋人なのか 夫婦なのか
それとも友達以上恋人未満なのか?
なんだか気になるな・・・
と考えているうちに
あまりにも長く
キジバトが そうしているので
鳥は 雨に濡れても
平気なのか?
モミジの木の中に入れば
雨宿りできるのに
雨に濡れ続けて
フェンスの上にいるのは
何故なのだろう?
と 思考が展開し始めた
羽が水に濡れて 重くなってしまっては
飛べなくなるわけだから
水をはじくようにできているのだろう
たとえば
羽毛布団の中の羽は 水をはじいたっけ?
いやいや
水鳥の羽が びしょ濡れになったら
おぼれちゃうだろ!
と いつの間にか 思考が
ロマンティックな方から
どんどん 妙な方向へとずれていく
と 一瞬 冷静になったところで
そんな私に ドラマティックな出来事など
起こりそうにないな
と悟った 雨の日の午後
なのだった