風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

真夏の夜の怪

 仕事日終わりの日曜日の夜は毎週、夕食が終わった後に

 脱力→睡魔→爆睡

となり、ハッと起きてはまた寝てしまい、再びハッと起きたはずのに気がついたらまた寝てしまい、またもやハッと何度目かに起きたら真夜中・・・というパターンに陥るのだが、昨日もその悪循環にはまり、ハッと起きたら午前3時になっていた。
 いかん!布団に寝ようとふらふらと起き出し、とりあえずトイレに向かい ドアを開けたら、突如

 バタバタバタ!!!

と、何やら黒くて大きなものがトイレの中を飛び回るではないか!
 うわ~!っと いきなり目が覚めて、蝶か蛾だろうと思って そーっと様子を見るも、黒い生き物は昆虫よりももっと大きくてコロンとしっかりした体つきに見えたので、

 鳥だろうか?

と見てみても、ものすごい勢いで1畳くらいの空間を飛びまわるので 私の動体視力が追いつかず、


 え?なになになに!!!???
 だいたい うちのトイレに
 鳥が 入り込むような隙間などないし・・・


 正体が確認できず、さすがに その中に入って用を足す という勇気も起きず、いったん戸を閉めて心を落ち着けてから 再度 戸を開けて見てみたら、動体視力が追いついて、一瞬顔が見て取れた。


 え!? コウモリ??


 予測がついて一安心したものの、でもこの状態では 中には入れない。
 と困っているうちに、トイレの床の片隅に黒い物体が胴体を隠すようにしてうずくまり、し~んと静かになった。
 とにかく正体が知りたかったので(この世のものだったので 興味先行)そろりと中に入って、うずくまった生き物に近づいて見てみると、真っ黒なネズミくらいの大きさの生き物が・・・
 寝ぼけた上に近視と老眼の眼にはキクラゲに似ているようにも見えたが(なんだそりゃ)、うずくまって概要が掴めないものの、やはりコウモリのよう(ネズミは飛びませんから


 それにしても
 トイレの窓は 網戸ではめ殺しになっていて
 開けることができず
 床面の小窓も閉めたままなので
 そこから入ることもできないし
 いったいどこから入り込んだのか?


という疑問を抱いたが、午前3時にそれ以上のことを考える気にはなれず、とにかく用を済ませて


 どこからか入ってきたのだから
 どこからか出ていくだろう


という楽観的予測の元、トイレのドアを軽く閉めて、寝た。

 そして今日の朝、すっかり そのことを忘れたまま燃えるゴミを出してから、トイレ・・・と思ったところで真夜中の出来事を思い出した。
 恐る恐るトイレのドアを開けてみると、昨日の生き物はもういなかった。
 まあ 一安心なのだが、


 どこから入って どこから消えたのか?


ということで、ぐるりとトイレの中を見てみたところ、天井板がずれているのを発見!


 え?
 あそこ~?


 ちなみに コウモリ で調べてみると、どうもアブラコウモリだったよう。
 1.5cmくらいの隙間でも入り込む と書いてあったので、たぶんその隙間から入り込んだのだろうが、もともとは開いていなかったと思うので、

 どういう経緯であの板をずらしたのか?
 でもって、よくもあんなところを再度見つけて帰って行ったな

と、謎は尽きないのだった。


 考えてみれば、この実家に戻って住み始めた頃からトイレに入った時に、時折、外壁と内壁のあいだと思われるあたりでコトコトコトという音がすることがあり、

 いったい 何の音なんだろう?

と 不思議に思っていたのだ。
 わりと頻繁に聞こえた時期もあったので、

 借り暮らしのアリエッティでもいるのか?

と想像していた(なわけないだろ
 以前(といっても何十年も前)、母が「コウモリを見た」と言っていたこともあるので、コトコト音は 借り暮らしのコウモリだったに違いない。

 真夏の夜の怪は明らかになったが、コウモリの糞害というのもあるらしく、このままにしておいてもよいものなのか?というあらたな悩みが生まれてしまった。


 でもって、その後日談。
 この日の夕方、ふわり(うちの飼い猫)が何かを見つけて殺気立っているような音が聞こえたので急いで行ってみると、なんと、畳の上にコウモリが!
 羽が折れてしまったのか、飛べずに、チチッ チチッ と鳴いてはよろよろと歩いている。
 このままでは猫におもちゃにされたあげくに殺されてしまいそうだったので、炭ばさみ(昭和の家にはこういうものが残されているのだ)でそっとつかんで、外に逃がしてあげた。
 無事に生き延びられるか、わからないが、コウモリは鳥獣保護管理法で飼育が禁止されているということもあり、自然の成り行きに任せることにした。
 翌朝、庭を見てみると、コウモリは姿を消していた。
 安否は、わからない。