風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

和の暮らし

 2週間前に、気になりつつも放ったままにしていた破れた障子に耐えきれなくなって、3年ぶりくらいに障子張りをしたことで勢いがつき、ふと、

 今日も 障子張りをしようかな~

という気持ちが湧き上がり、今年2回目の障子張りをすることに。

 ちなみに今、私が住んでいるのは、昭和30年代に建てられた実家なのだが、典型的な日本家屋なので家の中にドアのある部屋はない。(あえて言えば、トイレにドアと、風呂場に引き戸があって、部屋になっている。・・・そりゃそうか!)
 仕切りはふすまと障子のみ。
 そして障子は大小合わせて28枚もあるので、前回4枚張り替えたくらいではさっぱり終わった気になっていない。



 さて、そんなところで本日は、前回同様ふわり(飼い猫)にぶち抜かれて大穴が開いたままになっていて、冬が来るたびに

 ストーブの熱が抜けてこりゃいかん

となっていた障子を張り替えることにした。
 今回の障子は雪見障子。下にガラスが入っていて、その上にかかる障子が上下に動かせるようになっている。
 見るたびに、日本の繊細な技と感性がすごいな~と思うものの、実際には下半分にガラスが入っているので作業のために運ぶのも重たいし、上下するようになっている障子の部分を外すのにも難儀する。
 さらについでなので、その障子の鴨居の上側にある小さな障子も張り替えようと、とりあえず計6枚をはがした。

 雪見障子が上下に分かれることから、今日は1回に張る面積が小さいものばかり。

 今日は 楽勝で終わるな

と始めたところ、取り外した方の雪見障子の桟の幅がものすごく狭く、糊付けから張り替えまで苦戦するわ、張りきれるだろうと思ったら途中で足りなくなって剥がす羽目になるわ、小さい障子用の紙が足りなくなって2枚は貼れずに終わったり、雪見障子を床に置いた状態でガラスを拭いていたらガラスが枠ごと抜けてしまって元に戻せなくなったり・・・。
 散々な目にあって予想外に時間がかかり、

 うちの障子は何でこんなに面倒なんだ!?

と、たいした作業ではなかったはずなのに、ぐったり疲れた。


 そんな家主の苦労も知らず、ふわりは ぐっすり 夢の中。



 唯一、昨日あたりから咲き始めたらしい金木犀の香りがうちの中にも漂ってきて、その甘い匂いをかぎながら日本ならではの障子張りをしている画が、古い映画の中にでもいるようで、

 この時間が愛おしいなぁ

と思った、9月の終わり。
 こんな「和」の暮らしが、心を癒やしてくれる。