風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

しあわせのパン

季節外れの冷たい雨が降る
先週の土曜日のこと
こんな日に お客さんなど
来ないだろうなぁ と
諦め半分でパンを焼いていた
お昼過ぎくらいの時刻に
女性が一人で入ってきて


お久しぶりです


と・・・
見覚えがあるようなないような
と思いつつ


こんにちは


と あいさつすると


近くに来る用事があったので
ここを 思い出して
久しぶりに来ました
3回目かな?


ということだったので
支払いをする間に雑談をすると
益子にお住まいで
今日は 真岡の病院に付添いに来る用事ができたので
あそこのパン また食べたいなぁと 思い出し
付添いの合間に 急いで買いに来たとのこと
自分用のパンを買って
車に戻ったと思いきや
また やってこられて
他人(ひと)にも あげたいから と
もうひとつ分のパンを
あらためて買っていただき


ここのパンがおいしい


と 何度も言ってくださるので


そう言ってもらえるだけで
頑張ろう!と思えます


と返すと
病院に戻るために
急ぎ ドアを開けながら


ここのパンを食べると
幸せになります


と お客さまから
思いがけない力強いひとことが・・・
じ~んとしていたら
その方が さらに


ここのパンを食べて
今日も 幸せになります


と ドアを閉めた


え・・・
これって しあわせのパン??


春先の雨の降る 肌寒い土曜日
ひっそりと 一人でパンを焼く小さな工房に
店主とお客さま 2人きり
そのお客さまが 帰り際
ドアを閉めながら
あたたかなセリフを ひとことふたこと
まるで
映画かドラマのワンシーンのようだった