風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

幸福のパン種

 先週末は、生憎 雨が降る日がありつつもたくさんのお客さまに来ていただき、誠にありがとうございました。
 ここ数年間、ヤマバトに混じって しばしば閑古鳥も鳴いていた薄暗い空気を覆すように、コロナ禍からの開放感が感じられる、

 久しぶりの明るいゴールデンウィーク

という雰囲気が漂ってきました。

 さて、そんな先週の土曜日。
 雨模様の中、宇都宮からいらしたというお客さまと何気なく雑談をしたら、真岡が実家なので「パン屋さん」で検索してみて気になり、何度か店を探しに来たものの、車の中からでは場所が今ひとつわからず、今日は車を降りて歩いて探してみて、ようやく見つけました!とのこと。
 行ってみたいな~と思いながら、店のインスタグラムもよくチェックして下さっていたらしい。
 開店直後に来て、パンがほとんど揃っていなかったにもかかわらず、いくつか選んでいただき、ようやく買えた!という感じで、にこにこしながらドアを開けて外に出ようとしたその時、


 あ・・・
 しあわせのパン・・・!
 このパンを食べて しあわせになります!!


このセリフを言いたかった、とばかりにそのお客さまは ひとこと告げて外に出ると、ガラス戸をそっと閉めたのだった。


 こんな 雨の日に またもや・・・

じ~んとしながら、開店前に古本屋でたまたま見つけて買った、堀口大学のアンソロジーのタイトルを思い出した。


「幸福のパン種」


 真岡できっとパン屋を始める!と決意したその日からずっと、自分がこねてきたのはそういうものだったろうか?
 もしも、そうあり続けられているのならば、誰かの、そして自分の、しあわせな気持ちがそこから膨らんでいくのかも。


 ちなみに、続しあわせのパンのお客さま(おじさん)は、その後毎週来店下さり、完璧な「常連さん」認定されました(笑)