風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

タイムトラベラー

 鉢植えのラベンダー「濃紫3号」の2番花が、小さな花束になるくらいに穂をつけた。



 北海道富良野のファーム富田は、憧れのラベンダー園。
 初めて北海道に旅した時に、迷うことなく富田ファームもルートに組み込んだ。
 その花農場を作ったきっかけを綴ったこの文庫本(初版の単行本を文庫化したもの)は、先月本棚を買った時に、箱から取り出して並べたい1冊だった。
 あらためて最初のところを読んでみると、1950年代に初めてラベンダーを植えた人たちのロマンに満ちた物語や人の縁の繋がりに、わくわくする。
 インターネットもケータイもなかったあの頃は、物事と出会うのはほとんど偶然だった。



 実は,私が「ラベンダー」という植物のことを知ったのは、NHKの少年ドラマシリーズで『タイムトラベラー』を見た時だった。
 原作は、筒井康隆さんの『時をかける少女』
 筒井さんが、いつ、どこでラベンダーを知り、どんなひらめきで『時をかける少女』を書いたのかは全く知らないのだが、時間をワープするきっかけとなる香りにラベンダーを選んだのは、当然の成り行きがあったに違いないと思わずにいられない。
 少なくても私にとって、ラベンダーの香りは今も、時を超えて人や場所に繋がる旅への扉を開けてくれる、秘密の呪文になっている。