パン工房が出来上がったあと、いつからパン屋を始めるか、悩んだ。パン屋に勤めたこともなければアルバイトをしたことさえもなかったため、自分がパン屋の仕事をどのくらいできるのか、全くわからなかったからだ。
早く始めたい気持ちと不安とが入り混じりつつ、しかし、開店準備と称してあいまいに時を過ごしていたら、不安の方が先に立っていつまでも始められそうにない。それで、とにかく開店日を決めてしまうことにした。
12月半ばに工房が完成し、年末年始はとりあえずおとなしく過ごして、2月の満月か新月の日にしよう・・・と、カレンダーを見てみたら、(2014年の)2月15日が満月だった。ただ、15日は土曜日だったため、金・土・日に店を開けるつもりだったことから、開店日は2月14日!と決めた。
ユーミン(松任谷由美)の歌の中に、「14番目の月」という曲があるのだが、その中に、
次の夜から欠ける満月より
14番目の月が好き♪
という歌詞が出てくる。
満ち切って次の日から欠けていくよりも、満ちる直前の開店日、ということになったのも、素敵な偶然のような気がした。
その日から3年・・・。
ということで、明日、開店3周年を迎えることになりました。
長いような短いような・・・ですが、1日1日を積みかさねていったら、あっという間に3年間が経っていました。これまで続けてこられたのも、来ていただいたお客さまのおかげです。
この場を借りて、お礼申し上げます。
そういうわけで、2月14日が開店日というのはあえてバレンタインデーを選んだのではなく、たまたまだったのだけれど、1周年の時に何かちょっとしたお礼をしたいけれど何がいいかなぁ〜と考えて、バレンタインデーということにかこつけて、ブラウニーを焼いて来ていただいたお客さまにお渡しすることにした。
以来、開店日にブラウニーを焼くのが恒例になりつつある。
ちなみに今年は、14日が週末の営業日からはずれてしまったので、先週末の3日間、開店3周年プレゼント(と言うには、ほんとうにささやかなおまけですが・・・)をお渡しした。
そんなこんなで、石の上にも3年が過ぎ、明日からは4年目ですよ!
っていうか、自分のパン屋としてのキャリアが3年になった、ということがにわかに信じられない。まだまだ未熟であることを自覚する毎日だ。
未熟な部分を少しでも改善できるように精進しつつ、来年もまた、この日にブラウニーを焼けるように、地道にパン屋を続けていきます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。