風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

フレンチローストのカフェオレ

 気分転換とちょっとした節約を兼ねて、時々コーヒー豆を手焙煎している。
 使っているのは、一度に2~3杯分が目安の小さな焙煎器なのだが、豆を煎るとチャフと呼ばれる薄皮がコンロまわりに飛び散って、そのあとの掃除が面倒なので、できれば一度に100gくらいの豆を煎りたいと思い、そこまで入れると煎りムラができたり豆がこぼれ落ちたりするところを無理矢理無視して、生豆を5~6杯分くらい入れて使っていた。
 そんな折、ふと、手頃な値段の、100gくらいを入れられるコーヒー豆を煎る道具はないものか?と思って探してみたところ、「豆、ギンナン用」の手網が目に留まった。
 作りがシンプルで手入れがしやすく、コーヒー豆を煎るのに使っていて使いやすいというレビューも載っており、日本製で値段も手頃。
 ということで、ためしに買ってみた。
 で、先日、初めてそれを使って煎ってみた。



 ちなみにいつもは、シティローストかハイシティローストあたりの中深煎りを目指しているのだけれど、初めて使う手網と今までの道具との違いを把握しかねて四苦八苦するうちに煎り具合が進みすぎてしまい、なんだかやばい、焦げている?という状況になってきてあわててザルにあけてみたら、なんと意図せずしてフレンチローストになっていた。



 中深煎りにしているのはカフェオレにして飲むのが好きなので深煎り寄りにしているのだが、以前コーヒー豆を買う時にはフレンチローストの豆を選んでいたのに、いつの間にかフレンチローストではなく中深煎りを買うようになっていたのは、東京を離れて会津の山奥に引っ越した時に、フレンチローストの豆自体をあまり売っていないからだったからかな?
 通販でコーヒー豆を買うようになってから、中深煎りの豆を買うことが増えた気がする。
 図らずも出来上がったこの豆を見て、本来カフェオレはそれよりも深煎りのフレンチローストで淹れるものだった、と思い出した。
 そして久しぶりに、フレンチローストのカフェオレを飲んだ。

 そうそう この味!
 フレンチローストのカフェオレ
 やっぱり おいしい~!!

 考えてみれば、子供の頃から20代前半くらいまではコーヒーを美味しいとは思っていなかった。
 20代前半に東京に引っ越して、喫茶店のコーヒーを飲んだり、自分でペーパードリップでコーヒーを淹れてみるようになってから、コーヒーを好きになった。
 その頃買った、「コーヒー・紅茶とおしゃべりの本」という昭和のにおいがプンプンする小さな本を、今でも捨てられずにとってある。内容はもう古めかしいものになっているけれど、この本を見ると、何かに憧れて自分探しの旅に出た頃の初々しい気持ちを思い出せるから。



 図らずして少し焦がした、フレンチローストのコーヒー豆。
 どこか遠い記憶の旅に出るような、不思議な懐かしさに包まれたコーヒーブレイク。