風の通りすぎる場所@あおいベーカリー

自家製酵母のパン工房「風の通りすぎる場所@あおいベーカリー」に関するお知らせと、何気ない日常を綴っています。

いちご イチゴ 苺

 先週末、いちごパンの反応がよかったので、セミドライストロベリーを作るべく、昨日追加で、道の駅でいちごを買ってきた。


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 いちごの旬は、まさに今。
 コンデンスミルクなどをつけなくても、甘くてジューシーでおいしい。
 真岡市は、長い間いちご生産日本一のいちごの国。お手頃値段で買えるのも嬉しい限り。

いちごの季節到来!

 いちごを砂糖漬けにして水分を抜き、その後に火にかけて柔らかくなるまで煮る。
 そのまま冷まして一晩~半日シロップ漬けにして、それをザルに上げてシロップを切る。


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 シロップを切ったいちごを自然乾燥、あるいは110℃のオーブンに50分入れて、乾燥させて出来上がり。


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赤いチューリップ

 草刈り中に切り倒してしまったチューリップ。
 切ってしまったときにはまだ、うす緑色で固いつぼみだったので、咲くだろうかと思いつつ、コップに挿しておいた。

 数日後、つぼみがかすかに色づいてきて


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 ついには赤い花を開いた。


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花の中のかがやく宮殿

 「花」という村野四郎さんの詩を、確か中学1年生の入学したての春いちばんの頃に、国語の授業で習った。
 その中に、


 花の中に町がある
 黄金(きん)に輝く宮殿がある
 人がいく道がある 牧場がある
 みんな いいにおいの中で
 愛のように ねむっている


という一節があり、その言葉の美しさに心惹かれた。
 特に、「花の中に 黄金に輝く宮殿がある」というその一文がとても気に入っていて、当時庭に咲いていて大好きだった、青紫色の矢車草の花の冠のような形と一緒になって、大人になっても時々その詩を思い出すことがあった。
 とはいえ、思い出すのはそのイメージだけで、詩を全部暗記していたわけではなく、どんな詩だったかなぁ・・・と思い出そうとするのだけれど、完璧に思い出すことができず、もう一度あの詩をちゃんと読んでみたいな、といつも気になるのだった。

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花は桜 月は望月

 ブログを書きそびれているうちに、4月になってしまった。
 3月の終わりから咲き始めた桜。
 咲き始めたあとに気温の低い日が続いたおかげで、今年は長いこと咲いている。
 先週の日曜日にみぞれが降ったにもかかわらず、花が枯れて落ちることもなく、何度か吹いた強風に散らされることなく、昨日の夕方に買い物に出たときにも、近くの日当たりがよくて一番最初に咲き始める桜並木がまだ花をたくさんつけていて驚いた。
 その日の帰り道、東に向かって車を走らせていると、目の前に大きな月が!薄明るい時刻の空に、ほの白い円形を描いていた。
 そう言えば、2日後が満月だったなぁと思い出し、ふと、五行川沿いの桜並木と菜の花が咲くあの場所で、桜と菜の花と満月の写真が撮れるのではないだろうかと景色を想像してみた。
 昨日の夕方は薄曇りで、それからカメラを持ち出して行ったとしても、月が高いところに上がってしまいそうだったので、明日天気がよかったら行ってみようと思ったその日が今日。
 運良く、天気は良好。
 月の出がいつ頃になるのか調べてみると、いい頃合いの高さに上ってくるのは夕方6時近くになるようだったので、薄暗くなりかけた時刻にカメラを持って出かけた。

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パン作りの思ひ出

 先日、お客さまから、パン作り教室でベーグルを作った、という話を聞いて、私がいちばん最初にパンを作ったときのエピソードを思い出し話したところ、すっかり盛り上がったので、このブログでも紹介いたしましょう。

 それは、自家製酵母でパンを作ってパン屋になる!といきなり決心した時から遡ること20年ほど前、私が20代半ばの頃。
 パン好きだった私が、ある日、パンってどうやって作るんだろう?とふと興味がわき、手持ちの本の1ページに食パンとバターロールの作り方が載っていたのを参考にして、パンを作ってみることにした時のこと。
 使ったのは、市販のドライイースト。
 寝る前に粉に砂糖と塩と戻したドライイースト、さらにバターも混ぜてこねたらビニール袋に入れて、それを冷蔵庫で一晩おいて一次発酵を待つ、という方法で作ることにした。
 その頃は会社勤めをしていたので、朝までに一次発酵したものを、そのまま帰ってくるまで冷蔵庫で保存して、帰宅してから二次発酵、焼成をすればゆっくり作ることができるだろうという見通しを立てたからだった。
 こね方もよくわからないまま、とりあえず本にある分量で粉と水、その他の材料を混ぜ合わせて丸め、ビニール袋に入れて、さて、冷蔵庫に・・・と見ると、1Kのアパートに置いた一人用の小さな冷蔵庫には中身がパンパンに詰まっていて、パン生地を入れる隙間などない。それでも何とか入りそうな空間を作り、ちょっと力づくでパン生地を押し込んで、就寝した。

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9年目の3.11

 2011年の3月11日。
 私は福島県の奥会津に住んでいた。
 そして、その年の年末、実家のある真岡に引っ越しをした。
 きっかけは震災ではなかったのだけれど、その年の4月までにいろいろなことがあって、今まで

 ここで何かをしたい

と思っていたことが、

 もうこの場所じゃなくてもいい

と思うようになり、13年半暮らした会津を後にした。
 引っ越すことに躊躇はなく、

 もう会津で経験すべきことを全部やり終えて、ここを卒業するんだ

という気持ちになっていた。
 実際には、会津にいた間に畑を借りてブルーベリーを植えて育て、ひょんなことからそのブルーベリーの実で酵母を起こしてパンを作ってみたところ発酵にはまり、パン屋になる!と決意して、それから人にお金を出して買ってもらえるようなパンを作れるようになろうと、パンを作り続けていた。
 その間に、町で行ったいわゆる地域おこし系のプロジェクトに参加したりして、今まで興味のなかったことを学んだり、自分からは絶対やろうとしないだろう活動に加わったりもした。
 それは、会津に住んでいたからこそ経験できたことだ。たとえば東京や真岡に住んでいたら、自分の人生の中で交わることのない交差点だったに違いない。

 機が熟す

生きている中で、そういう瞬間が確かにある。

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